文春文庫<br> 手鎖心中

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文春文庫
手鎖心中

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p
  • 商品コード 9784167111038
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

他人を笑わせ他人に笑われそのために死ぬほど絵草紙作者になりたいと願っている若旦那のありようを洒落のめした直木賞受賞作。面白おかしく悲しい道中「江戸の夕立ち」も収録。解・百目鬼恭三郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いのふみ

2
読みやすく、面白い。「手鎖心中」……笑われることに喜びを覚え、でも尊敬もされたい戯作者志望の男たちの顚末。戯作者になるというより、戯作者的なものを演じるというドン・キホーテ的逆説。ラストのひとひねりで、小説に広がりが出る。「江戸の夕立ち」……愉快でもあり哀しくもある波乱万丈のロードノヴェル。ラストで待ち受ける絶望のなか、それでも生きねばならない、しかし主人公たちには手に技がある、という救い。両作とも、滑稽で、展開は二転三転どころか、何十転もするが、わざとらしくなく自然。細部もよく効いている。2013/01/18

ぽん@Pの姪っ子

1
2作品とも面白かった。特に、表題作が好き。2024/10/02

Penn

1
「おもしろうてやがてかなしき」趣にあふれる2作品を収録。いずれも文章は平易で、すらすらと読め、小説家としてデビューして間もない著者の、若々しい筆致を愉しめる。直木賞受賞作の割には、あまり世に知られていない表題作は、著者が好んだ江戸時代後期の戯作者たちの世界を描く作品。絵草子の作家になりたい材木問屋の若主人の、作家として名を成すためのどこかズレた努力を描く主題もさることながら、煙曲師をはじめとする江戸文化の香りがたまらなく良い。幇間と若旦那の奇妙な冒険憚「江戸の夕立ち」は、思わぬ展開とラストの無常感に感服。2017/09/24

八本足

1
第67回直木賞受賞作。「手鎖心中」もいいのですが、個人的には「江戸の夕立」の方が好きですね。「江戸の夕立」は幇間(太鼓持ち)が主人公。太鼓持ちは昔よく聞いた落語に出てきて大抵ろくな目に遭いませんが、この作品でも言わずもがなです。いやろくな目のスケールが落語の比ではないですね。やっとこさ江戸に帰ってきたら「東京」になっているのも哀愁を誘います。2010/04/22

江草貞治

0
不思議に話は転がってドタバタの滑稽噺かと思うと、サゲはめっぽう物哀しい。不思議不思議。2017/10/14

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