内容説明
妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、1985年、『放課後』で第31回江戸川乱歩賞受賞。1999年、『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。著書に『同級生』『変身』『分身』『鳥人計画』『むかし僕が死んだ家』『パラレルワールド・ラブストーリー』『天空の蜂』『毒笑小説』『名探偵の掟』『悪意』『探偵ガリレオ』『白夜行』『予知夢』『片想い』等があり、幅広い作風で活躍している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
1284
いわゆる入れ替わり物なのだが、東野氏の手にかかるとこれほどの名作になるのか。上手い、上手すぎる。ため息が出るほどにいい作品だ。いいたいことは沢山あるが、ラストについてネタバレにならないように触れたい。あのラストは2人にとって最良の選択だったと思う。あのままの状態であれば平介は再婚も出来ず、さらには性生活も覚束ない状態である。これは拷問以外何物でもない。そんな状態から解放するための唯一の答があのラストだったのだ。そして秘密とは作中で判明する秘密以外に東野氏が読者に「真相は秘密」と投げかけたように感じた。2012/06/03
サム・ミイラ
922
再読。読んだのは随分前だがおそろしいくらいによく覚えている。それだけインパクトの強い作品だったということか。肉体と精神が入れ替わる話は割合多いが映画では「転校生」小説ではこの「秘密」が断トツだと思う。この何とも言えない後味の悪さと切なさ。女性の現実的したたかさとお間抜けな男性の可愛さを描き切っている。痛い。悲しい。残酷。ミステリーでないようでしっかりミステリーでありこの衝撃のラストは今でも鮮明に焼き付いている。秘密は私にとって「容疑者Xの献身」と並ぶ東野圭吾の最高傑作なのである。2015/07/05
ehirano1
854
本書はまさに当方が勝手に思っているところの“心臓鷲掴み系(後の作品となる「手紙」もこの部類に入ると思います)”。唯々感服感涙するばかり。しかし、今はこれで十分です。至福の読書でした。最高の感動をいただいた感謝を著者へ。2018/01/03
抹茶モナカ
802
衝撃的で、哀切な、ラストに暗示される秘密。でも、そうするしか、道はなかったのかもしれない。決心した直子もつらかったろう。風俗、盗聴など、中年男性の戸惑いの姿も丹念に描き、事故の補償問題という社会的視点もある。読んで良かった、と思える作品。2014/03/02
遥かなる想い
699
1999年このミス国内第九位. 本屋で立ち読みした時には、こんなにも涙するとは思わなかった。中途半端にあらすじを読む癖は改めなければならない。家族を想う切ない気持ちが、哀しい。2010/05/05