内容説明
著者が「愉しさを第一に」取り組んだ傑作時代小説。徳川家斉が大御所として君臨する天保十一年、絢爛たる吹上の桜見の会で奥女中らが注視する中、事件は起こった―。家斉が寵愛する中臈と背後の黒幕石翁。彼らの追い落としを謀る水野忠邦一派。両者の罠のかけあいを推理手法で描き、権力に群がる矮小な人間の姿を炙りだす。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第5回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
55
時は徳川家慶ではなく、父の徳川家斉と大奥が実権を握っている天保。家斉が寵愛し、子を身籠っていた多喜が不運な事故で亡くなる。しかし、それは大奥の腐敗と大奥を通じて政権を陰から欲しいままにする石翁勢力を根絶する為の仕掛けられたものだった。その結果、仕掛けや大奥内におけるスキャンダルによって周囲を巻き込んだ権力の座と欲を巡る両者の激しい鍔迫り合いが行われることになる。場を攪乱させる新之助が清涼剤だが、淡路守の目的の為とはいえ、罪なき者の命や姪の貞操も顧みない又左衛門は果たしてそれでいいのか。2025/12/21
はなん
31
松本清張が時代小説まで書いていたとは知りませんでした。初のドラマ化の話題から手にした一冊。予想以上に面白く、そして時代物の入門編にもなりそうな読みやすい話運びでした。さすが、ですね。考えてみたらこの時代をこんな視点から活字で読むのは初めてです。(ドラマは有名どころがありますが)結論はわかっているけれど、そこに行くまでのそれぞれの人間模様。下巻ではどんな描かれ方をしていくのか楽しみです。(意外と奥の様子は書かれてないな。ドラマはかなりアレンジされていそうですね)2016/03/13
ロデタ
7
面白い。積読で寝かせておかないでもっと早く読めばよかった。下巻へつづく。2019/10/09
しんた
6
著者のファンなので苦手なこの時代作品も読んでみた。むむむ…2015/05/04
go
5
これは糞面白い。松本清張は時代小説の方が上手い様な気さえする。下巻で失速しなければいいな2015/01/12




