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文春文庫
文豪

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167106874
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

逍遥の死と妻を巡る異説。紅葉=鏡花師弟の確執。密かに一葉を想う緑雨の孤高。明治文壇の強烈な個性の栄光と悲惨を描く連作小説

内容説明

坪内逍遙の死と妻を巡る異説。尾崎紅葉=泉鏡花師弟の確執。密かに樋口一葉を想う斎藤緑雨の孤高。従来の評論家・文学研究者と異なる角度から光を当て、取材と推理を駆使して定説の盲点を突く。明治文壇史に燦然と輝く強烈な個性の栄光と悲惨を描き、文学研究者からも高い評価を受けた評伝的連作小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

12
「葉花星宿」に登場する尾崎紅葉は胃癌に。 紅葉は優しくも厳しく、弟子に接して面倒見が良いと 評判だった文豪だ。その恩恵に最も浴した泉鏡花が 師の苦難にどう立ち向かい、支え、励ましたかが描かれるのか。 嗚呼、これぞ感動の師弟愛。ところがそうは問屋がおろさない。書き手はあの清張氏。紅葉の日記に登場する「或る夜の出来事」、 鏡花が自らと妻をモデルにした『婦系図』、勝本清一郎氏の 文章から定説とは逆の師弟関係を導き出す。 叙情的描写を交えずに、淡々と描かれるので焦りと嫉妬にかられた紅葉と面従腹背のしたたかな鏡花。2007/03/14

矢代

8
文豪と呼ばれる坪内逍遙・尾崎紅葉と泉鏡花・斎藤緑雨を「わたし」が執筆の依頼を受けて、その地を訪ねたり、資料を集めて見解を述べている。人物作品を褒めそやすのではなく、過去の書評評論に疑問や別の見解見識を述べているのが面白い。その面白いと思わせるのが、資料記録を元に推理されたものであってもそう思わせる松本清張が凄いかな。坪内逍遙は名前しか知らなかったし、紅葉鏡花の関係性なんか師弟以外はしらなかった。況してや斎藤緑雨なる人物は初めて知りました。また読みたい本が増えてしまった!2015/10/01

林 一歩

5
松本清張の真骨頂は短編にあると思う。絶妙です。2012/01/10

駄目男

3
坪内逍遥の名声は「小説真髄」「当世書生気質」の著作で既に定まっているが、早くに筆を折り演劇や教育の分野に精を出すようになったのは二葉亭四迷の出現が原因ではなく山田美妙に圧倒されて絶望したことに由来すると書かれている。 そのあたりの真偽は浅学の私はよく分からぬが、 清張は逍遥夫妻を以下のように書く。「2013/08/24

ハッピーフィールド

1
明治の文豪、近代文学の先駆者としての名声が定着している坪内逍遙の別の顔を、関連の資料を駆使しながらよく描いていると思う(「行者神髄」)。セン夫人のこと、逍遙が小説を書くのをやめることになったきっかけ、逍遙の死(自殺説)など、松本清張の独自の視点が大変興味深かった。2016/05/29

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