出版社内容情報
名士を二分する「ブルーボネー」と「小春」。二人のママの華麗な対決も今は昔の語り草。今をときめく女たちが捧げる哀愁の"謝恩会"。
内容説明
夜の銀座の名士を二分したクラブ「ブルーボネー」と「小春」。二人のママの華麗な対決も、今は昔の話り草である。さびれてしまったブルーボネーのママを慰めようと、昔の常連客二人が“卒業生”の売れっ子ママたちを一堂に集めて“謝恩会”を催すことになったが…。華やかな夜の世界の栄枯盛衰と女たちの苛烈な闘いを描く風俗長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんた
9
推理小説ではなかったので、落ちはなかったが、結構面白く読めた。とにかく切ない。代表のカズを考える。これから水商売スタートする人に読んでもらいたい。かも。2021/11/07
ササヤン
7
松本清張の推理小説ではない作品。ただ、こういった夜の世界を書くのは、『黒革の手帖』の作者らしい、ある意味、松本清張らしいし、また同時に、らしくもない。 昨今、日本経済が停滞する中、今の銀座は清張が書いた当時のクラブどころか、家飲みが多くなり、さらには酒を飲まない若者が増えている中で、接待がない安価な居酒屋や料亭が閉店に追い込まれているだろう。 もし、松本清張が現在、生存していれば、どのようなドラマを書くことになるのかに、思いを馳せた。 2018/06/24
ヴァン
6
清張が『黒革の手帳』で描いた銀座の夜の世界を本作では、あえて推理ものではなく風俗小説として成立させた。対立する二人のクラブのママの起伏のあるドラマが展開する。銀座の夜の世界とは、こんなところか、と楽しめる小説。
東森久利斗
5
夢幻の如く。咲くも花、散るも花。華麗なるもの、散り際、引き際が肝心。銀座のネオンが妖しく瞬く夜の熱闘甲子園。プライドとプライドのぶつかり合い、銀座の覇権を掛けた女の闘い、魑魅魍魎が跋扈する弱肉強食の世界。傑作「黒革の手帖」のもう一つの顔。不適切にもほどがある!、お金とコンプライアンスにルーズな昭和文化の象徴、”社用族”の趨勢。無縁な世界、興味もなし、未踏の地、今後も予定なし。理解不能、生産性の低いただの労費。経済効果は認めるが。2024/03/28
Akiro OUED
2
香津子ママって、松本清張の自画像に違いない。著してる本人も辛かったろう。清張ファンとしては『点と線』の謎性も『ゼロの焦点』の不条理性も感じれらない。ママの戯言で プラザ合意は成立したとかの、小説的裏話をいれるべきだった。ママの愛人もママ自身も恍惚の人になっていく。哀れだね。2025/09/27
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