内容説明
蝦夷地の主・松前藩は、アイヌの人びとを酷使して豊富な海産物を独占していたが、この内実を他に知られるのを恐れ、北辺にせまる大国ロシアの足音を聞きながら、それをも隠し続けた。漸くにして嘉兵衛が巨船を作り上げ,憧れのかの地を踏んだころから、情勢は意外な展開をみせ始めた。幕府が東蝦夷地の経営に乗り出したのだ。
感想・レビュー
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サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
34
江戸時代、北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人となった高田屋嘉兵衛の物語。
☆エンジェルよじ☆
17
蝦夷の地に立った嘉兵衛達。高橋三平らと知り合った事が吉か凶か?それにしても松前藩!呆れるほどの施政だわ😠👹😡2019/05/19
calaf
16
蝦夷を本拠地に!嘉兵衛はこの後、そういう方向で物事を進めていくのかな?江戸の幕末の頃...今から200年ほど前の話なのですが、当たり前ながら今とは全然違うなぁ...2014/03/19
ぼちぼちいこか
7
北前船については前から興味があったが、ニシンがアイヌ語だったという事実がトリビア。以前、山形出身の茶道の師が「かど焼き」の話をした。「かど」が「にしん」と教えていただいた事を思い出した。芋煮は有名だがかど焼きはそうでもない。にしんを焼きながら桜の花見をするそうだ。前に読んだ「間宮林蔵」の中でロシアの横暴に逃げ出す南部・津軽藩の駄目っぷりが書かれていたが、これにも納得。高橋賢藏(三平)もこのころから蝦夷を調べていた。これから嘉兵衛にはロシアから受ける悪夢が待っているが、サトニラさんの言葉が沁みた。 2017/02/14
キリン
5
サトニラ(堺屋喜兵衛)は自らの引き際を考えはじめ、喜兵衛に「高田屋」の屋号を渡すことを検討▼ そして念願の松前に到着。交易を始めていくに行くにあたって当時全く注目されていなかった函(箱)館を本拠地とする先見の明あり▼ そんな矢先に蝦夷を天領にしようとする幕府の動きがある。松前藩のアイヌへの虐待に見かねた処置である▼ また評判の上昇に反比例するかのように北風家の感情を悪化させてしまう嘉兵衛。商売って難しい。★4.02020/07/20