内容説明
海産物の宝庫である蝦夷地からの商品の需要はかぎりなくあった。そこへは千石積の巨船が日本海の荒波を蹴たてて往き来している。海運の花形であるこの北前船には莫大な金がかかり、船頭にすぎぬ嘉兵衛の手の届くものではない。が、彼はようやく一艘の船を得た、永年の夢をとげるには、あまりに小さく、古船でありすぎたが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
33
江戸時代、北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人となった高田屋嘉兵衛の物語。
☆エンジェルよじ☆
22
子供時代命まで脅かされた故郷から若者を水主として受け入れたり凱旋したり、嘉兵衛を見つめる故郷の人達の視線は驚きか羨望か?さあ❗目指すは蝦夷へ🚢 2019/04/11
Dai(ダイ)
16
殺されかけた故郷でもあり、娘を奪い去った敵のような存在でもある嘉兵衛。よく許し許されるものだな、と。2017/04/07
calaf
14
嘉兵衛、無事に故郷に足を踏み入れられてよかったです。でも逆に言えば、成功すればなんでもありという事なのかな...もちろん、律蔵の存在は非常に大きいのですが。2014/02/13
keisuke
6
複雑な格差社会の中で、よく故郷に足を踏み入れることができたなと思う。これも、周りの人々に恵まれたから。いや、嘉兵衛の努力と魅力があったからか。司馬さんは時代背景をしっかり書いてくれているので、勉強になるし面白い。2015/08/19