出版社内容情報
鹿児島で不気味な沈黙をまもる西郷派の影におびえて、大久保を中心とする政府はうろたえ続けた。追い打ちをかけるように、反政府運動は更に激化した。長篇全十篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
65
5巻は大久保利通の渡清から。その粘り腰の交渉に驚嘆しました。それにしても、自分で勝手に攻撃しておいて賠償金を取るってすごいですね。当時の植民地主義、弱肉強食の世相では当然だったのかしら…後半の宮崎八郎メインの語りは、彼についての知識が皆無なのもあり、ややついて行けてません。大久保と伊藤の、木戸をだます遣り口の悪どさにも辟易しますが、かといって革命を志す八郎もよくわからない…次巻の展開に期待したいです。2017/10/24
じゅじゅじゅ
7
征台論の起こりと収め方の無茶無謀、そうせざるを得なかった大久保さんの事情、宮崎八郎という人について知りました。ルソーと安藤昌益が同時代に同じようなことを論じていたことに感心しました。しっかし長い…まだ半分。2018/04/29
ホレイシア
6
これだったっけ、挫折の巻は。大久保が清に行っている間の話。2008/01/28
amabiko
5
タフ・ネゴシエーター大久保。清との駆け引きが、ぐいぐい読ませる。現代日本の外交も見習ってほしい。2015/04/03
りょうけん
5
☆4つ 司馬遼は大久保利通や大隈重信そして山県有朋がどうやら大嫌いの様子である。 この小説『翔ぶが如く』では、後に日本が太平洋戦争をおこした事の遠因は、大久保と大隈とそして山県にあり!と断言している。こりゃエンタメ小説などではなくて司馬遼という思想家のアジ小説だな。おもしろいからそれでもいいし、先にも書いたけど何も読まない体に比べると雲泥の差だから。 この巻では盛んに宮崎八郎という男のことを書く。 思うに司馬遼はこの八郎という男ともしくはその子孫関係者と何がしか昵懇な関係だったのであろう。 でなければ2014/01/18