文春新書<br> 元祖スキャンダリスト黒岩涙香

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文春新書
元祖スキャンダリスト黒岩涙香

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  • サイズ 新書判/ページ数 304p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166615353
  • NDC分類 070.21
  • Cコード C0295

出版社内容情報

有力者の女性問題、旧大名家の御家騒動、淫祠邪教の内幕、政界大物とのバトルを連発。明治を駆け抜けたスキャンダル紙、萬朝報。
愛人、二号を囲っている著名人を、執拗な取材で片っ端から実名暴露していく『蓄妾の実例』で知られる萬朝報だが、その一方で、内村鑑三、幸徳秋水、堺利彦ら左翼・リベラルの論客、斎藤緑雨などの文人も抱える硬派な論説紙でもあり、相撲、都都逸、連珠などの娯楽の普及にもつとめ、紙面で宝さがしもおこなうエンタメ・メディアでもあった。
その創始者にして、時のベストセラー作家、さらには「探偵小説の祖」とも称される黒岩涙香とは何者か?
梁山泊と呼ばれた朝報社に集った記者、作家たちの埋もれた仕事を発掘、宮武外骨をはじめしばしば牢屋とシャバを行き来した同時代のライバル、さらには森鴎外(「畜妾の実例」で愛人を暴かれている)、夏目漱石、二葉亭四迷といった文豪たちとの意外なかかわりも明らかにしていく。
「偉いやつらの秘部を暴く」というスキャンダリズムに、興味本位と勧善懲悪的な社会正義、大衆に真実を知らせるというジャーナリズム精神、さらには謎解きの持つエンタテインメントの魅力までが渾然一体となった涙香ワールドに侵入する、異色の評伝。


【目次】

内容説明

政治家、実業家、軍人、作家…名士の隠された私生活を暴く『蓄妾の実例』など、スキャンダルを武器にする一方、硬派言論で明治を席巻した萬朝報。その創始者にしてベストセラー作家、「探偵小説の祖」とされる涙香が生きた、文学とジャーナリズムの始原を書き尽くす。

目次

序章 萬朝報はわたしだ
第一章 萬朝報スキャンダル戦史
第二章 涙香十番勝負
第三章 番外対決観戦記
第四章 萬朝報悪党列伝
第五章 探偵小説・スキャンダル・未完の可能性
結びにかえて―露伴と涙香の東京

著者等紹介

野崎六助[ノザキロクスケ]
1947年東京生まれ、文芸評論家、ミステリ作家。『北米探偵小説論』で第45回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

28
黒岩涙香の単なる評伝と思って読み始めるとパンチを喰らう。ただし、みぞおちに食らったパンチの痛みは、じわじわと全身に広がったあと、快感と興奮へと変わっていく。探偵小説の祖と言われた涙香が「萬朝報」を創刊し、容赦のないスキャンダル報道で新聞発行部数首位を獲得するまでになる。「相馬家騒動」を取り上げた「萬朝報」を著者は「読者のみに正対した涙香の反応は「絶対」の正解だった。大衆心理はいつも残酷だ。錦織に告発された相馬家の面々が無実であろうが、あるいは錦織の妄想のように毒殺犯であろうが、問題ない。(つづく)2026/07/03

fseigojp

8
ある意味、柄谷が取り上げなかった日本近代文学史だった2026/06/28

タ カ ヒ ロ

1
出版先が文春砲でおなじみの文藝春秋というのが何とも。。。2026/08/19

たかし

0
黒岩涙香といえば、現代では『巌窟王』や『ああ無情』などの翻案小説の元祖なんだろうが、起業した新聞でスキャンダルを延々と書いてたという部分に焦点をあててる。相馬家のお家騒動だの蓄妾だの、ほとんどの事件は賞味期限切れで、さほど興味を惹かれない。むしろ、幸徳秋水が萬朝報で働いてたとか、大逆事件のさいに黒岩涙香はどう対応したのか、萬朝報はどう報じたのか、というところに関心を惹かれたがそこは軽く触れただけで消化不良気味である。萬朝報の記者だの、同時代の文人に紙幅を割きすぎて肝心の黒岩涙香が薄いのも致命的かもしれない2026/08/11

エツロー

0
黒岩涙香の名前は本書を読むまで知らなかったが、明治時代の新聞・出版業界や言論空間を知ることができた。著名人の愛人の暴露など人間スキャンダルを前面に出し、『萬朝報』の部数を都内一まで伸ばした発想は興味深く、森鷗外や夏目漱石など同時代の著名人が登場するのも印象的。黒岩は、新聞人・ジャーナリストとしてだけでなく、海外小説の翻訳など大衆文学の普及にも大きな足跡を残したが、日清・日露戦争を経て新聞の論調が「民権」から「国権」へと変化すると、その流れには逆らえなかった。時代を築いた彼にとって、これは無念だっただろう。2026/07/24

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