出版社内容情報
有力者の女性問題、旧大名家の御家騒動、淫祠邪教の内幕、政界大物とのバトルを連発。明治を駆け抜けたスキャンダル紙、萬朝報。
愛人、二号を囲っている著名人を、執拗な取材で片っ端から実名暴露していく『蓄妾の実例』で知られる萬朝報だが、その一方で、内村鑑三、幸徳秋水、堺利彦ら左翼・リベラルの論客、斎藤緑雨などの文人も抱える硬派な論説紙でもあり、相撲、都都逸、連珠などの娯楽の普及にもつとめ、紙面で宝さがしもおこなうエンタメ・メディアでもあった。
その創始者にして、時のベストセラー作家、さらには「探偵小説の祖」とも称される黒岩涙香とは何者か?
梁山泊と呼ばれた朝報社に集った記者、作家たちの埋もれた仕事を発掘、宮武外骨をはじめしばしば牢屋とシャバを行き来した同時代のライバル、さらには森鴎外(「畜妾の実例」で愛人を暴かれている)、夏目漱石、二葉亭四迷といった文豪たちとの意外なかかわりも明らかにしていく。
「偉いやつらの秘部を暴く」というスキャンダリズムに、興味本位と勧善懲悪的な社会正義、大衆に真実を知らせるというジャーナリズム精神、さらには謎解きの持つエンタテインメントの魅力までが渾然一体となった涙香ワールドに侵入する、異色の評伝。
【目次】
内容説明
政治家、実業家、軍人、作家…名士の隠された私生活を暴く『蓄妾の実例』など、スキャンダルを武器にする一方、硬派言論で明治を席巻した萬朝報。その創始者にしてベストセラー作家、「探偵小説の祖」とされる涙香が生きた、文学とジャーナリズムの始原を書き尽くす。
目次
序章 萬朝報はわたしだ
第一章 萬朝報スキャンダル戦史
第二章 涙香十番勝負
第三章 番外対決観戦記
第四章 萬朝報悪党列伝
第五章 探偵小説・スキャンダル・未完の可能性
結びにかえて―露伴と涙香の東京
著者等紹介
野崎六助[ノザキロクスケ]
1947年東京生まれ、文芸評論家、ミステリ作家。『北米探偵小説論』で第45回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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