文春新書<br> 実利論―古代インド「最強の戦略書」

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実利論―古代インド「最強の戦略書」

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166614851
  • NDC分類 311.225
  • Cコード C0295

出版社内容情報

紀元前2~4世紀の古代インド、マウリヤ王朝の宰相カウティリヤが著わしたとされる『実利論(アルタシャーストラ)』。マックス・ウェーバーが『職業としての政治』のなかで「カウティリヤの『実利論』に比べれば、マキャヴェリの『君主論』などたわいのないものである」と評した、冷徹なリアリズムにもとづく国家統治の要諦を論じた幻の書だ。
その白眉は「マンダラ外交」と呼ばれる外交論。自国に直接境界を接する隣国は基本的に「敵対者」、隣国の隣国は友邦になり得る国、そのまた隣国は敵対者となり得る……という具合に円環状に広がって行く外交戦略論だ。
単に「敵の敵は味方」と言うに止まらず、自国と敵対的な隣国の双方に接する「中間国」、また自国にも隣国にも接しない「中立国」を活用することの重要性とさまざまなケースでの対応策を提示。採るべき政策として、和平、戦争、静止、進軍、依投(他に寄る辺を求めること)、二重政策(和平と戦争を臨機応変に採用すること)という「六計」を、状況に応じて繰り出していくとする。
これは現代においても当てはまる。「伝統的な非同盟」「実利優先」で是々非々のスタンスを堅持しながら、パキスタンや中国は「敵対者」と位置づけ、中国を警戒する日米とは関係改善を推進。パキスタンの隣国アフガニスタンをタリバン復活までは支援し、何より第三次印パ戦争で東パキスタンをバングラデシュとして独立させたのは「敵対者」パキスタンの力を削ぐ戦略的に大きな意味を持った。多国間でもASEANを「中間国」として位置づけてインド太平洋構想に取り込みつつ、〝グローバルサウスの盟主〟として「中立国」の湾岸・アフリカ・南太平洋諸国の利益を代弁して存在感を高めている。
その他、日本がまだ弥生時代の頃に、驚くほど緻密な官僚制を敷き、インテリジェンスなかでもスパイの効用をさまざまに論じている『実利論』を、
筆者が兵法の古典『孫子』との比較や、ガンディー、ネルー、チャンドラ・ボース、あるいは現モディ政権のジャイシャンカル外相らの政治・外交を紐解きながら、現代インドの行動原理と併せ解説する。

【目次】
序 章 マックス・ウェーバーとキッシンジャーを唸らせた『実利論』
第1章 古代インドと『実利論』の誕生
第2章 国家統治で追求すべきは「実利(アルタ)」
第3章 マンダラ外交の真髄
第4章 インテリジェンス・ウォーを勝ち抜くために
第5章 カウティリヤの兵法--『孫子』との比較から
第6章 『実利論』から見る近現代インドの外交と政治
終 章 『実利論』から日本は何を学べるか

内容説明

マックス・ウェーバーが「『実利論』に比べればマキャヴェリの『君主論』などたわいもない」と評した、紀元前の古代インドで王へ統治の要諦を説いた幻の書。冷徹なリアリズムと緻密な世界観、外交とインテリジェンスを重視した最強の戦略書の真髄を、『孫子』との比較や現代インドの行動原理に照らしながら解説する。

目次

序章 マックス・ウェーバーとキッシンジャーを唸らせた『実利論』
第1章 古代インドと『実利論』の誕生
第2章 国家統治で追求すべきは「実利」
第3章 マンダラ外交の真髄
第4章 インテリジェンス・ウォーを勝ち抜くために
第5章 カウティリヤの兵法―『孫子』との比較から
第6章 『実利論』から見る近現代インドの外交と政治
終章 『実利論』から日本は何を学べるか

著者等紹介

笠井亮平[カサイリョウヘイ]
1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。専門は日印関係史、南アジアの国際関係、インド・パキスタンの政治。在インド、中国、パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務後、横浜市立大学、駒澤大学などで非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とり

4
古代インドの政治論書「実利論」を現代の視点から解説している。帝王学、外交、兵学など扱う範囲が広く、マウリヤ朝時代の古代インドの価値観がわかって興味深い。マックス・ウェーバーによれば、「カウティリヤの『実利論』に比べればマキャヴェリの『君主論』などたわいのないものである」とのことだが、確かに実利論は君主論以上に非常に冷徹。2025/05/04

Mistral_K

3
本書は、古代インドの政治思想書『実利論(アルタシャーストラ)』を現代的視点から読み解き、そのインドの国家運営、外交姿勢における知恵を紹介する一冊である。『実利論』は、「インド版『君主論』」とも称されるが、そのスケールは遥かに大きい。 著者は、その内容をわかりやすく解説し、現代社会にどう応用できるか考察するとともに、この100年のインドの状況は実理論や叙事詩等の古典を背景に理解できることを指摘している。組織運営や交渉術、リーダーシップに関心のある人にとって、実践的なヒントを得られる一冊である。2025/03/25

於千代

1
古代インド・マウリヤ朝の政治書を紹介しつつ、それに基づいてインド近代史を読み解く一冊。恥ずかしながら種本の存在を初めて知り、興味深く読み進めた。『孫子』との共通点もあり、時代や地域を超えて戦術論には普遍的な要素があるのだと感じた。2025/05/24

tetsuwo

1
「実利」は自明なようでそうではない。有能な戦略家でもなければ、手段を目的化して実利を見失うことはよく起こるだろう。実利を取るためには徹底したリアリストであることが必要と述べられる。1つの価値基準(例えば実利)を軸に手段を評価することができ、基準に沿わないものをためらわずに捨てる覚悟を持つ人だ。現実を、諦める理由にするのではなく、解決策を見つけるための分析対象にしていかなければならない。2025/04/27

Go Extreme

1
実利論:カウティリヤ 統治原則 政治戦略 経済政策 外交戦略 情報戦 戦争戦略 権力維持 マンダラ理論 国家運営 法制度 司法制度 社会安定 行政監視 統治技術 インテリジェンス:スパイ活動 情報収集 諜報戦術 懐柔策 離間策 牽制策 武力行使 心理戦 国家安全保障 戦略的判断 内部監視 秘密工作 外交政策:マンダラ外交 非同盟運動 国際関係 戦略的提携 近隣諸国対応 外交均衡 軍事同盟 貿易交渉 経済協力 交渉術 国家統治:指導者の資質 官僚制 経済発展 秩序維持 施策実行 民衆統制 国家防衛 社会制度2025/03/11

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