出版社内容情報
東大史料編纂所に所属する本郷さんはふだん一般の学生への講義はありません。そのなかで2022年、東大駒場の教養課程(1,2年生)で、理系も含め、日本史専攻でない学生に「変革期にあらわれる日本のルール」をテーマに講義をしました。歴史はなぜ、いかにして動くのか? 東大での講義の内容をもとに、より分かりやすく、脱線もよりたっぷりと、新たに語り下ろしたものです。
内容説明
東京大学教養学部の学生たちに、「暗記不要、歴史を考える面白さを伝えたい」。人気歴史学者が行なった連続講義の内容をもとに、あらためて語り起こした決定版。歴史は動いていく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのか―。歴史入門にも最適。
目次
第一回講義 鎌倉幕府の誕生
第二回講義 頼朝の死から元寇まで
第三回講義 室町幕府、西か東か
第四回講義 日本人と宗教
第五回講義 信長の革新性
第六回講義 秀吉の天下統一
第七回講義 家康が求めたもの
最終講義 江戸から近代へ
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学文学部卒、同大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。鎌倉時代を中心とした日本中世史が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
20
鎌倉時代専門の著書には申し訳ないが、一職支配を拡大し、常備軍や経済・流通を重視し全国政権を作ろうとした革新的な信長、その信長の築いた軍団、領土、統治システムを引き継いで、更にデスクワーク重視で天下静謐を成し遂げた秀吉、そしてそれらの革新をきちんと理解し時代の流れを見通すことのできた家康へと、政権が移る過程と転換点を検証する後半が1番わくわくした。歴史は過去の出来事ではあるが、歴史が動く時の潜在在的な動因を追いかけることは、こんなに面白いのかと発見する1冊。2025/05/24
ta_chanko
16
商工業と貨幣経済が発達した西日本と、土地と農業重視で現物経済・自力救済の東日本。グローバル西日本vsローカル東日本。平将門の乱、平氏vs源氏、承久の乱(朝廷vs鎌倉幕府)、霜月騒動(安達泰盛vs平頼綱)、室町幕府vs鎌倉府、豊臣秀吉vs徳川家康、荻原重秀vs新井白石、田沼意次vs松平定信、薩長新政府vs奥羽越列藩同盟などなど。日本史上のさまざまな出来事が、西日本vs東日本またはグローバルvsローカルの視点で読み解ける。2025/04/26
ムーミン2号
7
重箱の隅をつつくようなことをしていては「歴史」はまったく面白くもなければそれを学ぶことにしても楽しくはないだろう。英単語じゃないんだから年号を機械的に覚えたところで生きていく上では役には立たない。「歴史の流れ」「歴史の全体像」をつかみ、またそこにある疑問を考えることこそが歴史を学ぶ醍醐味だと思うが、歴史的事項がいつごろ起こったかと前後関係は把握しておくといいとは思う。本書の基になったものが東大生の教養課程での講義だから、そこそこ知識があった方が面白いのかもしれない。2025/05/06
ヨハネス
6
あまりにも日本史に興味が持てないので、暗記に頼らない良い学習法があるのかと思い。期待通り、史実だけでなく、それがなぜ起きたのか背景を教えてもらえば、少しは興味がわく。元寇退治に参加した非御家人にも褒美を与える「オールジャパン派」と、幕府は御家人のための政権なのでその必要はないという「御家人ファースト派」が対立する・・という調子は良いのだが、いかんせん常識がなさ過ぎ、これでもなかなかついて行けず、第三回講義半ばで脱落。予約待ちしている19人に申し訳がないので、今から返却に行ってくる。2025/04/08
Cana.t.kazu
3
中世史は流石に専門なので有意義で深い学びがありました。 感謝です。 しかし,近世史は学説としての裏付けなどが弱いので,独りよがり的に感じられ,納得ができませんでした。2025/03/27