出版社内容情報
元祖〝スパルタ教育〟の実態に迫る
格差を感じさせない、理想的な体制だった!?
マキャベリが「最も優れた国制」、ルソーが「安定した社会」だと絶賛。
プラトンが高評価し、ナチスが賛美。
スパルタは、1000におよぶポリスが乱立する古代ギリシアにおいて軍事大国として君臨し、アテナイ(アテネ)と覇権を争っていた。なぜ長期間にわたって強国を維持することができたのか。
賛美者が絶えない「理想の社会」の実像とは――。
内容説明
スパルタは、千におよぶポリスが乱立する古代ギリシアにおいて軍事大国として君臨していた。なぜ長期間にわたって強国を維持することができたのか。賛美者が絶えない「理想の社会」の実態に迫る。
目次
はじめに スパルタ教育の元祖
第一章 テルモピュライの戦い
第二章 スパルタ人の創造 「元祖」スパルタ教育を中心に
第三章 エウノミア(Eunomia) 秩序ある世界の成立
第四章 ギリシアの覇者 スパルタの対外関係
第五章 リュクルゴス体制のほころび
第六章 スパルタの黄昏
第七章 永遠のスパルタ ブランド化への道程
著者等紹介
長谷川岳男[ハセガワタケオ]
1959年生まれ。神奈川県出身。東洋大学文学部史学科教授。上智大学大学院文学研究科を単位取得のうえ退学。非常勤講師、鎌倉女子大学教育学部教授を経て現職。専門は西洋古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みのくま
8
近代以降の国民国家と古代ギリシアのポリスの大きな違いは強制的な秩序維持機関があるかどうかであるという。ポリスにおいては市民平等の原則の為、各自が武器を携帯すると同時に警察は存在しなかった。その為ポリスは常に内乱のリスクをいかに回避するかが課題であったようだ。その点スパルタは混合政体と幼少期からの徹底的な教育と競争原理の導入、統制経済と鎖国主義によって長期の政治的安定性を手に入れた。既に前5世紀の時点から他国からスパルタは理想のポリスとして虚像化され、特にルネサンス以降はその時代に合わせた興味の対象とされた2024/12/30
Οὖτις
1
古代スパルタ人の手による書籍が皆無であるがゆえにか私も妄想が膨らみがちであった。クセノポンやトゥキュディデスに見える記載は同時代故に臨場感もあった。「炎の門」では胸がたぎる思いがしたが、まあこれは小説。(また読みたいが・・)ペロポネソス戦争後からマケドニアに下った後、さらにローマの属州になり、ギリシアがブランド化するというある意味、ローマにおけるギリシアによる文化侵略も面白い。そしてまた今日まで続くが、コリントスやテーバイなども、まとまって読んでみたい。2024/12/25