内容説明
現代医療に必須のエビデンスが存在しない自由診療のがん治療。しかし、規制する法律がないために、モラルを欠いた一部の医者が、命の瀬戸際に追い詰められたがん患者を相手に、荒稼ぎしている。最善の選択をするためには、最悪の現実を知らなければならない―。
目次
第1章 エセ医療を選択した患者の〓末
第2章 免疫細胞療法の実態
第3章 偽りだった最後の希望
第4章 歴史の証人が語る「免疫の真実」
第5章 さまざまなエセ医療が横行する日本
第6章 がん検診には嘘がある
著者等紹介
岩澤倫彦[イワサワミチヒコ]
フリージャーナリスト。テレビ朝日、フジテレビなどの報道番組で、事件や社会問題、医療などを取材。ドキュメンタリー番組の監督も務める。血液製剤によるC型肝炎の調査報道で、新聞協会賞、米・ピーボディ賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
24
現代医療に必須のエビデンスが存在しない自由診療のがん治療についての一冊。そのさまざまな実例やエセ医療者との対決などの筆致が生々しく、読んでいて辛くなることもしばしば。藁にも縋る思いの患者に対してここまでのことができるとは。ここまで追い込まれるまでに標準治療側の医療者にできることは、とも思うけれど、現在可能な標準治療についても解説されていて勉強になる本でした。おすすめ。2024/07/17
みこ
20
文面から筆者の怒りがこちらにもヒシヒシと伝わる。「自由診療」の名の下に医師が自由に好き勝手なことを行っているが、それは診療でも医療行為でもない。そして、利用者が効果がないと訴えれば元の病院に戻れと言い、具合が悪くなっても入院設備が整っていないと追い返す。「私たちは生きる希望を与えているんだ」という彼らの言い分は美辞麗句のようだが、まるで「トリック」にインチキ霊能力者のよう。「お前たちのやっていることは全部お見通しだ」とばかりに怒りの鉄槌を下している。2024/06/26
coldsurgeon
12
臨床試験などで有効性が証明されていないのに、標準治療よりも格段に効くように装っているのが、似非医療である。がん患者は、標準治療が効かないという厳しい現実に直面すると、確証バイアスにとらわれ、エビデンスのない免疫細胞療法などの治療を医師が勧めれば、導入しようと思うだろう。そのような医師は、詐欺的行為を働いているのである。免疫細胞療法が効かない理由は、「免疫細胞の寿命は短く、最長1週間ぐらい」「培養した免疫細胞が、がん細胞までにたどり着く確率が極めて低い」「がん細胞が免疫反応を抑制している(PD-1の存在」。2024/06/30
Go Extreme
4
有効性確認されない治療≠医療行為 標準治療効かず→エセ医療 再生医療等安全法→免疫細胞療法 詐欺罪 ANK療法=NK細胞+増強 トンデモ症例 主治医に黙って治療 バイブル商法:著書を広告戦略ツールとして活用 確証バイアス→偏った思考回路 偽りの希望に奪われた時間 成功体験に自分を重ねる オプシーボ:効果が有りは2~3割の患者 生物の免疫はゆらぎ大 がんの自然退縮 医師の裁量権の悪用 光免疫療法 がん≒不安と向き合う 痛みを我慢する≠美徳 緩和ケア・標準治療と同時に早期から どうせなら大きな敵を倒しましょう2024/06/14
Akim
3
検査にも実際にがん発見に有効であるものとそうでないものがあることが分かった。人間ドックでの検査項目を検討したい。2024/07/18