出版社内容情報
小説家を目指す人に向けた連続講義が書籍化。文章の書き方から資料の使い方、テーマの見つけ方まで、読めば小説を書きたくなる!
内容説明
歴史をもっと楽しみたい。調べもの、資料整理のコツが知りたい。自分でも小説をかいてみたい。3人の人気作家が「秘術」を公開。
目次
畠中恵(架空の人物に肉付け;視覚的な資料も必要;時代小説と漫画との親和性;デビュー前に「構成分解」を;手はじめに人物設定表づくり ほか;門井慶喜(就職してから作家の道に;暇ではなかった苦難の三年余り;四回目の候補作で新人賞に;「慶喜」という名の呪縛;ミステリーと歴史小説の違い ほか)
安部龍太郎(小説を書くための心技体;確率わずか一万分の一;作家修業のために区役所勤め;役所を辞める;「天上天下唯我独尊」の真実;勤めを辞めて背水の陣 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡部敬史/おかべたかし
112
これは素晴らしく良い本でした。過去、小説指南系はいろいろ読みましたが随一かも。安倍龍太郎、門井慶喜、畠中恵に編集者がインタビューする形式なんですが、端々に感じる三氏のこれから小説家を目指す人への優しさがまたよいのです。資料の読み方など実践的なハウツーもいいけど、この本や創作を目指す人の優しさに尽きるなー。2022/08/15
あすなろ
106
これは愉しめるぞと書店にて勇んで購入してきた一冊。安倍龍太郎・門井慶喜・畠中恵の今を時めく各氏がそれぞれの苦節時代やデビュー前後を説く。その上で、小説作法や調査手法、あの作品の描き方も説いてくれる。各氏のファンであるとか歴史時代小説好きだとか小説が書きたいとかを超越し、純粋に読書好きとして愉しめるオススメの一冊。加えて僕なぞは特に好きな門井氏のエクセル整理術を己の仕事の一つであるデューデリジェンスに活かせないか迄考えてしまったのである。2022/06/12
tamami
56
昨年春の「オール讀物」編集部主催、「歴史時代小説書き方講座」を新書化したもの。講師を務めた安部龍太郎、門井慶喜、畠中恵の三人の作家さんが、それぞれのデビューまでの苦労話や、歴史・時代小説を書くときのコツ、何よりもそれを為そうとするときの心構えについて語っている。作家と編集者の関わりも、ほのうかがえて興味深い。歴史・時代小説は普段から目にすることも多いけれど、それが書かれた時の背景や工夫苦労を知ることで、作品を見る目が違ってくることは必定。作家デビューを目指す新人さんには、何にも替えがたいアドバイスの宝庫。2022/05/09
優希
50
歴史小説や時代小説が好みの私としては興味深く読みました。色々考えながら書いているのだと思うと、以前より深くその世界にハマりそうです。2022/07/19
Book & Travel
42
畠中恵、門井慶喜、安部龍太郎の歴史・時代小説家3氏が、デビューまでのいきさつや小説の書き方の秘訣など、オール読物の講座での話の内容を書籍化した一冊。書くための資料集め、人物、プロット、史実とのバランス、心構え等々、三者三様で面白かった。この中で唯一作品を読んでいない畠中氏のお話が、特に丁寧で分かりやすかった印象。自分は具体的に小説を書くつもりがある訳ではないが、歴史小説好きとして興味深い内容が多く、この人物、この事象を小説にしたら面白いのでは、という妄想を少し膨らませてみたい気持ちになった。 2022/06/14