文春新書<br> リープフロッグ―逆転勝ちの経済学

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文春新書
リープフロッグ―逆転勝ちの経済学

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166612925
  • NDC分類 332
  • Cコード C0295

内容説明

後から来た者が、蛙の跳ぶがごとく先行者を追い越してしまう。それがリープフロッグだ。歴史を繙けば、大航海でヨーロッパが中国を凌駕し、イギリスがスペイン無敵艦隊を駆逐したように、大逆転の連続だった。世界史に日本経済復活の道を探る。

目次

第1章 中国急成長の秘密はリープフロッグ
第2章 ヨーロッパ最貧国が世界のトップに
第3章 世界最先端にいた中国は、リープフロッグされた
第4章 リープフロッグが次々に起きた大航海時代
第5章 産業革命をリードしたイギリスが、リープフロッグされる
第6章 リープフロッグにはビジネスモデルが必要
第7章 日本は逆転勝ちできるか?

著者等紹介

野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年、東京生まれ。1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

74
イタリア→ポルトガル→スペイン→イギリス→ドイツ・アメリカと経済覇権が遷移する歴史や中国の例を辿りながらリープフロッグを考える。野口先生は「リープフロッグは、遅れているから自動的に起こるのではない。新しい技術が登場し、それを用いた「新しいビジネスモデル」が開発されることが必要」と強調する。日本の奇跡の近代化は、リープフロッグではなくキャッチアップに過ぎなかったんだ。ITによって「資本を必要としない資本主義」が齎された現在、日本が逆転を狙うには「新たなビジネスモデル」の創造しかないという警鐘が胸に刺さる。2021/04/22

ta_chanko

18
「日本は世界第二位の経済大国」というのは過去の栄光で、1980年代をピークに国際社会における日本の経済的影響力や国民一人当たりのGDPは低下の一途を辿っている。原因は1990年代から急速に進んだ情報化・IT化に遅れをとり、過去の成功体験(国家主導のキャッチアップ型経済、年功序列と終身雇用、社内の人間が出世して経営者になることなど)から脱却できなかったこと。歴史を遡れば、社会や技術の進歩は日進月歩。「先進国」の地位に安住していると、成功体験が逆に足枷となり、瞬く間に「後進国」に追い抜かれてしまう。2021/03/17

とみやん📖

15
野口悠紀雄氏の本は「超整理法」以来。この方経済学者だったのか。まず、驚き。途中の大航海時代やその後の第二次産業革命辺りは歴史の振り返りで退屈だったが、それ以外は示唆に富んでいる。制度やシステム、技術の転換が起きたときに、それが高度に浸透、定着している国ほど、抜かれるリスクがある、というのが、リープフロッグの本質だろう。つまりは栄枯盛衰。成功体験に捕らわれて変化に適応できないことが一番の壁なのだろう。個人も企業も国もそれは同じか。コロナでようやく日本も時代に取り残されていることに気づいた。これからが楽しみ。2021/10/03

Yutaka Matsuzawa

15
リープフロッグとは遅れていた国がある段階をすっ飛ばして先端技術と新たなビジネスモデルで先進国を逆転すること。銀行システムが未発達だったがゆえに広がった中国の電子マネーがいい例。さらに日本では銀行やクレカ会社など既得権益者が発展の妨げをしている。社会構造からして既得権益者が多い日本はこれからどうなんだろう?それより私が面白かったのは、スペインやイギリスなど当時の先進国が次々とリープフロッグをされていった歴史。世界史で習っているはずなんだけどな。新聞を読んでいれば知っている知識だったがより理解でき良かった。◎2021/02/15

どん

6
後から来たものが蛙飛びのように追い越していくリープフロッグ。大航海時代、産業革命と世界史上のリープフロッグをわかりやすく解説してくれる。アイルランドの経済発展は知らなかった。世界史の本のよう。 日本はリープフロッグではなくキャッチアップしてきた。リープフロッグはその国の状況に合わなければならないが、日本には規制や既得権が多く守ろうとする力が強い。これをどう越えていくのかが課題。2021/06/15

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