内容説明
雅なイメージのある平安朝で巻き起こる凶悪な犯罪の数々。治安を司る検非違使の長(別当)藤原公任の残した文書には、貴族社会の最下層に生きる人々のリアルな声が記されていた。暴力が跋扈する平安社会の裏の姿が蘇る。
目次
河内国の夜討ち
他人の水田の稲を刈り盗る狼藉者たち
高利貸の横暴な取り立てに苦しむ未亡人
財産を差し押さえられる摂津守の郎等
郎等に裏切られた近江介
放火・殺人をたくらむ大和国のごろつきたち
ある郡司の災難
難破船を襲撃する人々
海賊の常習犯
拘留していた犯罪者を逃がした責任
獄舎に入れられる人々
大和守の郎等を殺した「凶党」
地方で作られる王朝時代
著者等紹介
繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年、東京生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員。東海大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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