出版社内容情報
「現代の日本は、日蓮が生きた時代と酷似している!」ーー歴史作家・童門冬二が構想10年のもとに書き上げた、自らのライフワークの完結編『国僧日蓮』(上下)を全1巻にして改題復刊。蒙古襲来を予言し、度重なる弾圧にも屈することなく、日本の未来を見すえてひとり国難に立ち向かった、日本仏教の最後の改革者・日蓮の波乱の生涯を描く超大作! 蒙古襲来750年記念復刊。
内容説明
不屈の精神で国難に立ち向かう、末法の世の予言者日蓮の波乱の生涯!童門歴史文学のライフワーク完結篇!
著者等紹介
童門冬二[ドウモンフユジ]
歴史作家。1927年(昭和2年)東京生まれ。東京都庁に勤務しつつ作家活動を行い、1960年に発表した『暗い川が手を叩く』で第43回芥川賞候補となる。1979年、退職し専業作家の道へ。在籍中に蓄積した人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。1999年、勲三等瑞宝章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スエ
2
「蒙古のこの度の襲来によって、この国は滅びます。しかしいま申し上げたように、それはこの国に正法を取り戻すために、善神が遣わした懲らしめの軍だと思えば、また考えも違うでしょう」というのが終始、日蓮の思想として語られる。法華教以外の存在を断じて認めず、他教の信者はみな地獄に落ちる、蒙古軍の襲来も法華教のための追い風だから高みの見物、みたいな。。見事に最初から最後まで胸糞悪く、なんでこんな小説書いたんやろかと謎でした。2024/12/15
としき
1
以前に五木寛之の「親鸞」を読んだ。今回は童門冬二の「日蓮」。この二人の教えが今も生き続けている。南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば誰もが救われるとした親鸞、それに対して法華経こそが真実の教えとし南無妙法蓮華経を唱えた日蓮。どちらも平安時代末期から鎌倉時代初頭の政局の不安定な時代に民衆の心を掴んだが、どちらも貴族や武士の支配階級に翻弄され続けてきた。キリスト教やイスラム教であれ、この仏教でも、その教えの真理を解くのは永遠のテーマでもある。今もこの教えの捉え方の違いが、戦争の火種になっているのは皮肉で残念なことだ。2024/11/15