内容説明
猫の考えてること、知りたくないですか。
目次
第1章 猫脳はこうなっている(人と猫の脳はよく似ている;大脳辺縁系の割合が多いから本能行動が強い ほか)
第2章 猫の感覚はこうなっている(視覚…桿体細胞が発達しているから暗闇でもよく見える;聴覚…脳とパラボラアンテナの耳で超音波を感知 ほか)
第3章 猫脳が示す習性と行動(猫は孤独なハンター;発情と交尾の実態 ほか)
第4章 猫の「ココロ」その世界を覗くと…(知能について 2歳児より上?;猫にあるのは喜怒「愛」楽? ほか)
第5章 猫と人はどうしたらうまくやっていけるか(猫はいつから飼い猫になったか;猫はいつ頃日本に暮らし始めたのか ほか)
著者等紹介
今泉忠明[イマイズミタダアキ]
哺乳動物学者。「ねこの博物館」館長。1944年東京生まれ。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学、生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現・環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加する。トウホクノウサギやニホンカワウソの生態、行動などを調査している。上野動物園の動物解説員を経て、現在は奥多摩や富士山の自然、動物相などを調査している。著書・監修多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
191
犬は人に付き猫は家に付く。猫のココロの世界を覗いてみよう。孤独なハンター魂に火がついたと思ったら突然ダラケてみたりと愛らしい。人のような理性的感情より本能的情動が多くを占める。動体視力や嗅覚に優れ、甘い鳴き声や仕草などで私たちを自在に操る。クラシックを聴くと心拍数が下がるという。広い可聴域で美しい奏でを聴いているのかもしれない。人との運命的な出会いはリビアヤマネコからという。長い尻尾を上げたり下げたり膨らませたりしながら、柔和な肉球で足音を立てずにそっと近づいてきて、瞳をキラキラさせていたのかもしれない。2023/04/13
さつき
71
猫の脳の構造を根本に、その五感や習性、人との関わりの歴史など分かりやすくまとめられていました。私は猫を飼ったことはないですが、家族や友人の家など身の回りには猫がいます。その行動など不思議に思っていたことにも一応の解答を得られました。どことなくミステリアスな存在に興味は尽きません。2020/02/19
ぶんこ
55
動物学者で、猫の脳を研究した数々の事案を紹介していますが、決して学術的な本では無く、猫愛が感じられる素敵な本でした。長年途切れることなく猫と一緒に暮らしてきたので、多くは軽く読める内容でしたが、唯一驚いたのが「猫は近視」ということ。時々なんでわからないのと思うことがあったのは、わからないのではなく、見えていなかったのか。また気をつけようと思ったのは羽毛布団への粗相。寒くなってきてからの猫は羽毛布団に埋まっていることが多くなった。怒らせるとやられちゃうから、あまりちょっかいをかけないようにしましょう。2021/12/06
tomi
38
「ねこの博物館」の館長でもある著者が、猫の脳科学の観点から猫の行動の秘密を解説。嫌がるのを抱きかかえた後に毛づくろいをしたり、ふかふかの布団の上で粗相をしたり(!)といったよく見る行動をなぜやるのか、わかりやすく書かれています。五感の鋭さに加えて、短期記憶に優れていて長期記憶も嫌な事をいつまでも忘れなかったりする。人の言葉もかなり聞き分けられるらしい。改めて猫は高い能力を持つ動物だと思います。猫を飼っている方必読!2020/12/28
みこ
33
相手が考えていることを知りたい。自分の知らないところで相手が何をしているか知りたい。相手が自分をどう思っているか知りたい。相手の目に自分がどう映っているか知りたい。その結果、相手が自分を大して好きじゃないと判明しても。人はその気持ちを「愛」と呼ぶ。この本を読んでいる間幸せな気持ちに浸ることができた。それだけで十分。2019/11/14