出版社内容情報
ガンダム、ウォークマン、YMO、村上春樹……。この年に何が起きたのか? シーンを横断的に振り返る超実感的文化史の登場!
内容説明
日本のポップカルチャーのカンブリア爆発ともいえるこの奇跡の年を振り返り、その社会的背景を探りつつ、いかに現在につながっているのかを検証・論考する。
目次
第1章 ガンダムと大友克洋(君はガンダムを見たか?;ガンダムに衝撃を受けた若者たち ほか)
第2章 YMOとウォークマン(歌謡曲vsニューミュージック;CM&ドラマタイアップによるヒット曲の増加 ほか)
第3章 村上春樹と「江夏の21球」(村上春樹『風の歌を聴け』でデビュー;2回落選した芥川賞の選評に見る当時の評価 ほか)
第4章 角川映画と情報誌(角川春樹が一目惚れした薬師丸ひろ子;角川メディアミックス戦略の原点 ほか)
第5章 『ジャパンアズナンバーワン』と『地球の歩き方』(『ジャパンアズナンバーワン』の真実;「すぐれた適応力と新たな出発」と謳う経済白書 ほか)
著者等紹介
南信長[ミナミノブナガ]
1964年生まれ。マンガ解説者。朝日新聞読書面コミック欄のほか、各紙誌でマンガ関連記事を企画・執筆。2015年より手塚治虫文化賞選考委員も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
72
1979年というのは。70年代に展開されていた、少数の「わかっている人」だけが享受していた、とがったカルチャーが、トガリを残したままメジャーな状態に最接近した年だったと思う。これが、80年代になると、とがったカルチャーは消え、大衆消費社会が待っていた。2025/07/08
阿部義彦
24
文春新書。私が高校二年の時くらいです。ウォークマン、買いました、YMO聴きまくりました、(私的最高傑作は変わらずBGMです。)ガンダム、全然興味なし、私の友達の間でも話題にもなった事無いような。村上春樹こちらもデビュー当初はノーチェックでした。単行本の「世界の終わりと~」くらいからハマっていきました。今でも最高傑作はこれだと思う。ガンダムと一緒に語られた漫画こそ大興奮です、大友克洋「ショートピース」買った、高野文子「絶対安全剃刀」買った、ひさうちみちお、奥平イラはほぼ全作買うくらいにハマりました。漫金超!2019/06/04
二分五厘
19
ガンダム放映スタート・インベーダーゲーム流行・村上春樹デビュー・ウォークマン…etc. 「重厚長大」の70年代と「軽薄短小」な80年代の狭間に生まれたポップカルチャーのカンブリア大爆発とも言われる79年を振り返る本。著者にとって、この年が後の人生を決めたと言っても過言ではないらしい。79年は確かに自分にも節目になった年は年なんだけど、初めに列挙している文化にはほとんど馴染まなかったからなぁ。自分の人生に一番影響を与えたのは1985年。2019/07/07
緋莢
16
アニメでは「機動戦士ガンダム」が放送開始となり、マンガでは大友克洋が初単行本となる『ショート・ピース』を 発売(大友克洋のデビューは1973年)、高野文子が、雑誌『JUNE』に「絶対安全剃刀」を掲載し、商業誌デビュー。 音楽ではYMOのセカンドアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」で注目を集め(YMOの結成は1978年)、ソニーがウォークマンを発売、文学界では村上春樹が『風の歌を聴け』でデビューと、これだけ書き出していても これらが全部、1979年に起こったのは確かに凄いですし(続く2023/03/07
ニョンブーチョッパー
5
★★★★☆ ガンダム、YMO、村上春樹って考えるとたしかに1979年ってすごい年だな。章タイトルだけ見てもすごく刺激的。第1章ガンダムと大友克洋、第2章YMOとウォークマン、第3章村上春樹と「江夏の21球」、第4章角川映画と情報誌、第5章『ジャパン アズ ナンバーワン』と『地球の歩き方』。第1章が特に面白かった。大友克洋さんの影響力ってばすごすぎるね。当時江川の件でなんだか世の中が騒いでいた記憶がうっすらとあって、裏事情が書かれていてなるほどという感じ。章末のまとめの表は助かる。2025/06/21