文春新書<br> 新貿易立国論

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文春新書
新貿易立国論

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  • サイズ 新書判/ページ数 260p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166611706
  • NDC分類 678.21
  • Cコード C0295

出版社内容情報

いま日本の貿易が振るわず、得意の「ものづくり」も優位性が揺らいでいる。そんな現実を直視した上で、新しい産業モデルを提案する。もはや日本は「輸出大国」ではない。

グローバルな視点で現実を直視し、日本経済復活のための新たなモデルを示す!



「資源のないわが国が生き残るには貿易しかない」

--戦後、日本は「貿易立国」を合言葉に、経済発展という坂道を駆け上り、ついにはアジアで真っ先に先進国入りを果たしました。



ところが発展の原動力となった輸出が不振です。これまでリードしてきた工業製品の優位性が揺らぎ、かつては世界の10%ちかくを占めてきた日本の貿易シェアは低下する一方。

「貿易立国」という、この国のかたちが危機に瀕しています。



なぜか。経済のグローバル化、技術のデジタル化という、かつてとは大きく異なる環境を背景に、新興国・途上国が台頭。日本をふくめた先進国の地位が低下しているからなのです。



では、日本が復活するためにはどうすればいいのか。

アジア各国のビジネスを30年ちかくリサーチしてきた著者は、成長トレンドにあって、日本国内の工業地帯に匹敵するほど大きな、日本企業の集積地があるASEANとの連携を提唱。



その上で、国内で開発・生産する「メイド・イン・ジャパン」戦略と、新興国・途上国へ生産拠点を移す「メイド・バイ・ジャパン」戦略の使い分けを説きます。



脅威論でも、悲観論でも、空理空論ではない、グローバル経済の時代に対応したリアルな「貿易立国論」の誕生です。

大泉 啓一郎[オオイズミ ケイイチロウ]
著・文・その他

内容説明

かつて「貿易立国」モデルで成功をおさめ、アジアでもっとも早く先進国となった日本。いま、その地位が急速に揺らいでいる。「貿易摩擦」も今や昔。中国やアジアの新興国・途上国に追い上げられている。日本が輝きを取り戻すために何をすべきか。ビジネスの現場を踏まえたリアルなモデルを提言する。

目次

序章 貿易立国の復活に向けて
第1章 変わる日本の立ち位置
第2章 新興国・途上国の台頭
第3章 「アジアと日本」から「アジアのなかの日本」へ
第4章 ASEANから新興国・途上国を開拓する―メイド・バイ・ジャパン戦略
第5章 新興国・途上国とともに成長する
第6章 日本から富裕層マーケットに切り込む―メイド・イン・ジャパン戦略
第7章 日本の競争力をいかに高めるか

著者等紹介

大泉啓一郎[オオイズミケイイチロウ]
1988年京都大学大学院農学研究科修士課程を修了。2012年、京都大学博士(地域研究)。日本総合研究所調査部の上席主任研究員として、アジアの人口変化と経済発展、アジアの都市化を巡る経済社会問題、アジアの経済統合・イノベーションなどの調査・研究に取り組む。東京大学大学院経済学研究科非常勤講師(アジア経済論)も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

川越読書旅団

23
戦後から現代までの日本を中心とした東・東南・南アジアの経済発展、貿易傾向の推移、そして、今後予測されであろう貿易の在るべき姿を明瞭に描く良書。統計データも多く使用されておりグッド。2018/07/15

魚京童!

22
必要がなければ、誰も考えない。今は緩やかに墜ちている。グライダー人間万歳!だから誰も考えないのだろう。墜落していれば考えるけど、緩やかな死を前に誰も考えない。死を受け入れるには否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容という5段階が必要だけど、気づいたら死んでだらそんな暇ないもんね。マリオネットって喜劇なのか、悲劇なのかわからないよね。2022/07/11

おせきはん

9
日本から高付加価値品を輸出するメイド・イン・ジャパン、日本ブランドを海外で生産・販売するメイド・バイ・ジャパンを組み合わせた戦略と、メイド・バイ・ジャパン戦略の強化策として日本企業が集積するバンコクを拠点に海外展開を進めるタイプラスワンの活用が提唱されています。人口が多く、所得水準が上昇しているASEAN諸国の成長に対応することは、日本企業にとっても重要です。チャイナ・プラス・ワンの次の時期を迎えつつあります。2018/12/17

templecity

6
昔はアジアの中で日本の存在感は飛び抜けていた。日本以外のGNP合算の2倍のGDPはあったが、今は新興国と言われていた中国、インド、そしてASEANの台頭が目覚ましい。日本がこれらの地域で活躍するには英語力よりもマーケティング能力が重要。長期滞在者の方が現地人と良い関係が築ける。短期だと結局派遣された日本人は本社の指示を仰ぐことになり、現地に溶け込まない。会社の中で良い関係が気付ければ、給与の高さだけで転職されるような状態にならない。坂の上の雲になぞらえ、日本からアジアを眺めても分からないことがある。続き~2018/11/16

isao_key

5
日本の目指すべきビジネスのあり方について考察する。日本企業は最大の集積地であるバンコクの生産拠点としての利点を積極的に活用すべきであり、タイプラスワンを活かすべきだと提言する。タイプラスワンとは「タイにある集積地をそのままにしながら、その生産拠点にある労働コストにかかる工程だけを賃金水準のまだ低い周辺国に移転する」日本企業特有のビジネスモデルである。「労働コストのかさむ工程だけを切り分け、近隣諸国に移す」ことは工程分業の拡張であり、タイの集積地強化策になる。日本人管理者と現地スタッフの信頼関係が最も必要。2018/06/27

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