出版社内容情報
高齢化・過疎化で、危なくても運転せざるを得ない高齢ドライバーたち。認知、身体、社会について、専門家が提言する。【増加が予想される「高齢ドライバー」事故。本人、家族、社会が出来ることとは?】
ブレーキとアクセルを踏み間違えて孫をひき殺した、高速道路に誤って侵入して逆走した、気を失って歩道に突っ込んだ……高齢ドライバーの事故が相次いでいます。
交通事故全体は減少していますが、高齢者による事故割合は増加の一途を辿り、対策は急務。今年3月には改正道路交通法も改正され、特に認知症検査が強化されました。
一方で、地方では公共交通機関が衰退し、車が無ければ生活ができない状況に陥っています。認知症患者を抱える家庭では、おじいちゃんが勝手に車に乗らないように鍵を隠す、などという涙ぐましいケースも出てきています。
しかし、問題はそう簡単ではありません。一番のネックは「年齢より個体差が大きい」こと。特に病歴や服薬の状況によって大きくリスクは変わってくるのです。
それでも希望はあります。たとえば……
・自動ブレーキ技術の導入で誤発進を防ぐ!
・免許返納者へプレゼントを送る自治体が増えている!(現在27万人、対象の2%)
・乗り合いタクシーなど輸送代替手段を整備する事例が増えている!
本書では、高齢ドライバーの「認知」「身体」の専門家からの寄稿に加え、地方問題や公共交通の専門家も参戦。この一冊で問題の核心が分かります!
所 正文[トコロ マサブミ]
著・文・その他
小長谷 陽子[コナガヤ ヨウコ]
著・文・その他
伊藤 安海[イトウ ヤスミ]
著・文・その他
内容説明
高齢ドライバー増加に伴い、二〇一七年、改正道路交通法で認知機能検査が強化された。しかし、免許証返納後の不便をどうするのか?認知機能検査は効果があるのか?自動運転はどこまで事故を減らせるのか?など問題は山積みだ。この一冊で問題の核心がわかる!
目次
第1部 社会問題としての高齢ドライバー(わが国の交通事故の概況;高齢ドライバー激増時代の到来;高齢ドライバーの運転能力;交通安全対策の枠組み(交通事故対策の基本原則)
わずか五十年で築かれた日本の車社会
自動車優先主義が定着してしまった日本の交通社会:欧州地方都市との比較を通して
高齢者講習をめぐる問題
免許自主返納へ向けての取り組み
超高齢時代の新社会観
今後への提言)
第2部 認知機能と身体能力から見る高齢ドライバー(高齢ドライバーの認知機能;身体的問題と自動運転技術)
著者等紹介
所正文[トコロマサブミ]
1981年、早稲田大学第一文学部心理学専攻卒業、同大学院修士課程修了、94年、博士(文学、早大)。日通総合研究所研究員などを経て、98年、国士舘大学政経学部教授。2011年から立正大学心理学部教授。専門は産業・組織心理学、生涯発達心理学。88年、東京都知事賞・日本労働協会長賞受賞。2004年、日本応用心理学会賞受賞。2003‐04年に英国シェフィールド大学Visiting Professor
小長谷陽子[コナガヤヨウコ]
1975年、名古屋大学医学部卒業。JR東海総合病院(現・名古屋セントラル病院)神経内科主任医長を経て同副院長。2004年より認知症介護研究・研修大府センター研究部長、国立長寿医療研究センターもの忘れセンター神経内科(非常勤)
伊藤安海[イトウヤスミ]
1996年、東京理科大学工学部機械工学科卒業。博士(工学)。警察庁科学警察研究所研究員、国立長寿医療研究センター長寿医療工学研究部生活支援機器開発研究室室長、名古屋大学大学院工学研究科特任講師などを経て、2012年より山梨大学大学院総合研究部准教授。専門は医工学、法科学、人間工学。2005年、警察庁長官賞詞受賞。2017年、日本機械学会フェロー認定。高齢ドライバーの運転診断・リハビリ技術の開発に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yukiko Yosuke
退院した雨巫女。
鮭
たぬ
唯誠