出版社内容情報
バチカンの極秘資料が示す真実――支倉常長らをローマに送った伊達政宗は、本気でスペインと組んで徳川幕府を倒すつもりだった!
内容説明
伊達政宗による慶長遣欧使節団の本当の目的は、ローマ教皇の力を借りてスペインと軍事同盟を結び、徳川幕府に乾坤一擲の大勝負を挑むことだった。ヴァティカン機密文書館に眠っていた戦国日本の「ダヴィンチ・コード」が今、読み解かれる―。
目次
序章 慶長年間の日本
第1章 使節団派遣に至る過程
第2章 幕府転覆計画への転換
第3章 メキシコでの使節一行
第4章 スペインでの躓き
第5章 ローマでの栄光と挫折・定説の誤り
第6章 帰路の苦悩
第7章 政宗の裏切り
終章 余話
著者等紹介
大泉光一[オオイズミコウイチ]
1943年、長野県諏訪市生まれ。宮城県柴田郡大河原町で育つ。日本大学博士(国際関係)。メキシコ国立自治大学東洋研究所研究員、スペイン国立ヴァリャドリード大学客員教授、同大学アジア研究センター顧問などを経て、日本大学国際関係学部・大学院教授。現在、青森中央学院大学・大学院教授。『支倉常長慶長遣欧使節の真相―肖像画に秘められた実像』(雄山閣)で2006年度の和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
40
ヴァチカン機密文書館資料による政宗の「幕府転覆計画」。本当にこの計画はあったのでしょうか。あったとしたらどのような駆け引きが行われていたのか気になります。仙台慶長遣欧使節の真の目的に迫っているのも謎ですね。果たして政宗はどこまで本気で幕府転覆を考えていたのでしょう。政宗は前から気になる武将でしたが、この本を読んでますます興味深くなりました。2025/02/25
春風
13
ヴァチカン機密文書館に眠っていた史料を紐解くことによって、再び陽の目をみることになった政宗の「幕府転覆計画」。本当にこの計画はあったのか?どのような駆け引きが繰り広げられていたのか?帯の「戦国日本のダヴィンチコード」という謳い文句の通りのエキサイティングな論考。過日、慶長遣欧使節派遣400周年を迎え、その認知度も増した。本書はその仙台慶長遣欧使節の真の目的に迫る。自分は、この計画は政宗の生来のパフォーマンス気質にも起因する計画であると感じたが、果たして政宗当人は如何程の本気度で臨んでいたのであろうか?2018/03/30
FKtaro
3
著者の思い入れバイアスがかかっているので、すべてを鵜呑みにはできないことを前提としても、とてつもなく壮大な陰謀論で面白いですねー。江戸時代の正宗がローマ法王に助力を請うて全国30万人のキリシタンと共に蜂起しようと計画していたなんてロマンがあるじゃありませんか。初めて聞いた話なので、なかなかに面白いです。ケチをつけるより楽しく読むのが粋ってもんでしょう。反論を唱える本があればさらに楽しめそうですが。2017/12/16
パット長月
2
著者の長年の研究の集大成だそうだが、余りに簡潔に過ぎ、おまけにこちらに支倉常長に対する知識も、思い入れもほとんどないこともあり、非常にもったいない?というか、著者に申し訳ない読後感となった。ただ、本書を読んで、自分の伊達政宗に対するイメージが、悪い、あるいは、少なくとも「彼も人の子」と、ヒーロー色が甚だ薄まる方向に傾いたことは間違いない。たぶん、我が国の歴史にとって、政宗の計画が不成功に終わったことは、幸いであったように思う。2017/11/09
不純文學交遊録
2
10年早く生まれていたら天下を獲れたと評される一方、三代将軍徳川家光に率先して恭順の意を表した逸話でも知られる伊達政宗。ヴァティカンが所蔵する慶長遣欧使節関連史料の研究をライフワークとしてきた著者が、政宗の倒幕計画が真実であったことを示す。当時の日本の情勢は、ヨーロッパにもかなり詳しく伝わっていたようだ。最近の新書にしてはかなり薄いので、すぐに読める。2017/10/30