出版社内容情報
「在日米軍は日本の防衛に直接関与しない」…大量の米外交機密文書に記された日米安保の真実を徹底解明。安倍政権と沖縄は激震必至。
「アメリカが日本を守ってくれる」幻想を打ち砕く、衝撃の米外交機密文書の数々
日本領海・領空に軍事的侵入を繰り返す中国。核ミサイル小型化を進める北朝鮮……でも、日米安保があるからアメリカが守ってくれる。日米同盟をより強化するために、安保法制を整備しなくてはならない……これが安倍政権の論理である。
だが、それは「美しい誤解」にすぎない、と著者は主張する。なぜなら新ガイドライン(今年4月改訂)の原文や、著者が大量に発掘した米外交機密文書によると、日本が武力攻撃を受けた場合、アメリカが主体的に血を流す気などさらさらないことがわかるからだ。
たとえば、
?@新ガイドラインの日本語訳には、日本が武力攻撃を受けた場合、「米軍は(中略)打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」とある。最後の「できる」の部分は、英語の原文では「may」となっており、「してもよい」「する可能性がある」のレベル。この他にも日本政府は作為的かつ重大な「誤訳」を数多く積み重ね、あたかも米軍が率先して日本防衛にあたってくれるかのようなムードを広めている。
?A尖閣問題で、アメリカは中立の立場をとれる逃げ道を用意していた。米国国務省は領土紛争に巻き込まれることを恐れ、1971年春にquit claimという法理論の適用を決めた。日本外務省にとって極めて重大な情報だが、その事実を全く認識していなかった。
?Bフォード政権文書にも「在日米軍は日本の防衛に直接関与しない」と明記されている。
?C沖縄「普天間移転は必要なし」が米国務省の基本的立場。そもそも返還交渉の時から、米側は日本を手玉に取ってきた。
……こうした驚愕の機密文書がこれでもかと列挙される。
安倍政権はもちろん、日米関係にも激震が走る話題作だ。
内容説明
「アメリカが日本を守ってくれる」それは日本人の思い込みにすぎない。膨大な米外交機密文書の数々は日米安保よりも自国の利益を優先する大国のエゴを浮き彫りにしている。安保法制を根底から揺るがす一冊!
目次
はじめに―アメリカは頼れる同盟国か?
第1章 アメリカは日本を守ってくれるか
第2章 米機密文書は語る
第3章 アメリカ依存を誘導する戦略
第4章 裏切りの沖縄返還
第5章 「繊維」の欺きと報復の「ニクソン・ショック」
第6章 米中の狭間で翻弄される日本
第7章 尖閣諸島問題におけるアメリカの本音
結論に代えて―同盟の疲労
著者等紹介
春名幹男[ハルナミキオ]
ジャーナリスト・早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース客員教授。1946年、京都市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業後、共同通信社入社。ニューヨーク特派員、ワシントン支局長、特別編集委員などを歴任。在米報道歴12年。1994年ボーン・上田記念国際記者賞、2004年日本記者クラブ賞受賞。2007年から10年まで名古屋大学教授を務めたほか、外務省「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」委員も歴任。専門はアメリカ政治、情報機関、安全保障(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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勝浩1958
まみか
makio37
ふぁきべ