文春新書<br> 日本の敵―よみがえる民族主義に備えよ

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文春新書
日本の敵―よみがえる民族主義に備えよ

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166610334
  • NDC分類 319
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「イスラム国」の出現で激変する日本の安全保障。日中、日米、日露、日韓。安倍首相の信頼が厚い元外務官僚が示す日本の生き残り策。

冷戦、ポスト冷戦とはケタ違いの大波が日本を襲う!
生き残れ、日本!!
安倍晋三が信頼を寄せる「本物のインテリジェンス」が分析した圧倒的サバイバル戦略論。

誤解を恐れずに敢えて言おう。南シナ海で今起きていることは、中国にとって「満州事変」となる可能性がある──。

今年半年で、著者のもとには、海外からの巧妙に仕組まれたスパムメールが27件届いた。新聞記者を装うなど実に高度なもので、それほどまでに世界のサイバー戦は苛烈さを増している。
帰ってきたロシアの熊、「イスラム国」の出現、劣等感と不健全なナショナリズムに苛まれ、米国の虎の尾を踏んだ中国、凋落が囁かれる米国、従来戦術が失敗しつつある韓国・・・・。この複雑極まりない国際情勢は、「ある視点」を導入することによって実にクリアに見えてくる。そこから日本の「本当の敵」もその正体を現す。

米国防総省には長い間秘密のベールに隠された部署があった。ネットアセスメント局(ONA)。その初代にして事実上の最期の室長がネットアセスメントの第一人者、アンドリュー・マーシャルである。表舞台に出ることや手柄を嫌悪し、めったに人前に姿を現さなかったマーシャルを人は「伝説の老軍師」「国防総省のヨーダ」と呼んだ。
このマーシャルのネットアセスメントこそ、冷戦を勝利に導いた真の功労者であり、ソ連はマーシャルに敗れた。従来型の情報分析やCIAの情報網は、経済力などの視点を軽視し、ネットアセスメントを前にその脆弱性、不確実性を露わにした。
そのマーシャルは早くも90年代以降中国に並々ならぬ関心を持っていた。この本のもう一つの挑戦は、未だ知られざるネットアセスメントの全貌を紹介し、その手法を中国に応用することを試みることだ。

状況判断を誤ることは、国家の「死」に直結する。
今、「ポスト・ポスト冷戦」の熾烈なサバイバル競争の幕が開く──。

内容説明

戦後70年を経て、世界では未曾有の大波がうねり始めている。日本はこの激流をいかに生き延びるのか。安倍晋三が信頼を寄せる「本物のインテリジェンス」が冷徹な眼で分析した戦略論。冷戦を勝利に導いた伝説の戦略思考家A・マーシャルの「NA(ネットアセスメント)」。その謎に包まれた真実も今明らかに。

目次

第1章 帰って来たロシアの熊
第2章 「イスラム国」後の中東世界
第3章 マーシャルのネットアセスメントとは何か
第4章 ネットアセスメントを中国へ応用する
第5章 中国が狙う対米「第二ラウンド」
第6章 「米国の凋落」は本当なのか
第7章 新民族主義時代の日中韓関係
第8章 中央アジアの地殻変動
終章 日本の敵

著者等紹介

宮家邦彦[ミヤケクニヒコ]
1953年神奈川県生まれ。外交政策研究所代表。78年東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。82年7月在イラク大使館二等書記官、86年5月外務大臣秘書官、91年10月在米国大使館一等書記官、98年1月中近東第一課長、同年8月日米安全保障条約課長、2000年9月在中国大使館公使、04年1月在イラク大使館公使、イラクCPA(連合国暫定当局)に出向、04年7月中東アフリカ局参事官などを歴任。05年8月外務省を退職し、外交政策研究所代表に就任。06年4月より立命館大学客員教授、09年4月よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。06年10月~07年9月、総理公邸連絡調整官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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matsu04

23
冷戦の終焉後、世界は安定するどころか逆に不安定化している。これを読み解くキーワードは〝民族主義の復活〟だと著者は説く。東アジアでは中国の台頭著しいが、不健全なナショナリズムを背景に力による現状変更を企むこの国に対し日本は、米国等普遍的価値を共有する諸国と連携することで生き残りを図るべきだと強調する。2015/10/17

さきん

16
著者は中東アジアの専門家であり、題名とは全然違い随分現実的で建設的な外交、戦略を説いた内容。2015/10/10

謙信公

14
「新民族主義」と「ネットアセスメント(総合戦略評価)」をキーワードにロシア、IS、中東、中国、米国、朝鮮半島、中央アジアの現状と予測。5年前の著書だが、改めて著者の洞察力には感服する。やはり最終的にたどり着くのは、最大の敵は日本自身であること。日本の「伝統」を時には「変化」させながら、普遍的価値に基づき、過去の事実を受け止めた上で「保守の進化」を示すことが、近隣国・関係国との和解に繋がる。これに対する最大の障害が「進化」に抵抗するガラパゴス型「保守主義」だ。今後の保守陣営内の新たな「進化」が望まれる。2020/02/14

ほじゅどー

13
★★★国家間の戦略的対立の中長期的趨勢を、軍事以外の人口、統計、経済学なども踏まえて総合評価し、それを政策に反映するシステムをネットアセスメント(総合戦略評価)という。米国防総省のアンドリュー・マーシャルは米国の脅威となり得る国との戦略的対立・競争の長期的趨勢について正確な分析を歴代の国防長官に提供してきた。日本にも東アジアで台頭する中国の本質を正確に分析・評価するためにネットアセスメント的な手法が必要である。2016/02/20

ぷれば

12
WW2戦後70年。その間、世界は冷戦・ポスト冷戦とが続いていた。戦後平和を享受していた日本だが、ここ数年かつてない危機が起こり始めている。本書では米国防総省にて43年にわたりONA(ネットアセスメント)を駆使し冷徹な眼で分析、冷戦を勝利に導いた伝説の戦略思考家A・マーシャルの手法を元に、世界情勢の分析、考察を試みている。世界の新たな民族主義化の中、正に生き残りをかけ、日本の敵を知り備えるための提言書。2015/11/06

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