出版社内容情報
理想の上司や部下、理想の夫婦や理想の親子。こんな妄想があなたを追いつめる。ネット依存、薬物、うつ等現代人の病の深層を探る。
うつ病などの心の病にかかったり、ドラッグ、暴力などの問題を引き起こしたりするのは、実は「堕ちる力」を失った人である。私はそのことに診察室で気づいた──。
誰もが表向き「健全なクリーンさ」を演出する時代。
でも、人間ってそんなに明るく健全なものですか?
精神科医の説く21世紀の「新・堕落論」。
高学歴・一流企業に勤めるミナコ(20代)。不眠不休で働き続けて頭が真っ白になって来院。「そんなにがんばらなくていい」というアドバイスに、ミナコは言った。
「その、がんばらない方法を教えてください!」
居酒屋チェーン店の過重労働で様子がおかしくなっているのをみかねた妻に連れられてきたハヤト(30代)。完全にマインドコントロール下にあるハヤトを見て著者は思う。
「昔、新興宗教が果たしていた役割を、今はブラック企業が担っているのではないか?」
インスタグラムの「いいね!」が減るのが怖くてたまらず、行きたくないところへ行き、食べたくないものまで食べてフラフラになっている女性患者・・・・。
30年もの豊富な臨床経験を持つ著者が、「いまだかつてない上昇圧力の強い時代」に生きる人々の悲喜劇を通し、「堕ちることをおそれない」生き方を探る。
理想の上司、理想の夫婦、理想の親子、理想の母親──
もう、そんな理想の○○から思いきってストンと堕ちてしまおう。
堕ちてみないと、この快感はわからない。
香山リカの新境地ともいえる意欲作。
内容説明
うつ病などの心の病にかかったり、ドラッグ、暴力などの問題を引き起こしたりするのは、実は、「堕ちる力」を失った人である。私はそのことに診察室で気づいた―。誰もが表向き「健全なクリーンさ」を演出する時代。でも、人間ってそんなに明るく健全なものですか?精神科医の説く21世紀の「新・堕落論」。
目次
第1章 「堕ちる力」を失った時代(どんどん健全になる大学の学園祭;会社から喫煙室や給湯室が消えてゆく ほか)
第2章 堕ちたくても堕ちられない人たち(「がんばらない方法を教えてください!」;成果主義のストレスで膀胱炎に ほか)
第3章 「人並み」幻想から堕ちてみる(「計画された完璧な人生設計」の落とし穴;「いい人」ストレスから逃げよう ほか)
第4章 目標のいらない人生(先住民族ピダハンに学ぶ;減っていくことに耐えられない人たち ほか)
第5章 理想の○○なんてつまらない(アンチエイジングの不毛;「理想の夫婦」のまやかし ほか)
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。専門は精神病理学。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題から社会批評まで幅広い分野で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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