出版社内容情報
かつて憧れのブランドであったソニーはなぜ凋落してしまったのか。ソニー内部の綿密な取材から見えてくる、恐るべき経営自爆の実態。
内容説明
ウォークマンに代表される「技術のソニー」ブランドはなぜかくも凋落してしまったのか。それを解くカギは大賀、出井、ストリンガーと続く経営陣の知られざる暗闘にある。そして、経営の失敗がいかに企業ブランドに影響を与えるか、その恐さが見えてくる。ソニーで起こっている経営問題は決して他人事ではない。
目次
第1章 僕らのソニー
第2章 ソニー神話の崩壊
第3章 「ソニーらしい」商品
第4章 「技術のソニー」とテレビ凋落
第5章 ホワッツ・ソニー
第6章 黒船来襲
第7章 ストリンガー独裁
最終章 さよなら!僕のソニー
著者等紹介
立石泰則[タテイシヤスノリ]
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。1950年、福岡県北九州市生まれ。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。経済誌編集者や週刊誌記者等を経て、1988年に独立。1993年に『覇者の誤算―日米コンピュータ戦争の40年(上・下)』(日本経済新聞社)で第15回講談社ノンフィクション賞受賞。2000年に『魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ』(文藝春秋)で1999年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。デビュー作は『復讐する神話―松下幸之助の昭和史』(文藝春秋)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
126
SONYがどのような会社で今の凋落がどういう過程で出てきたのかがよくわかった。世代によってはSONYに対する信頼が厚いのが伝わった。現状の平井社長にどのような変化が起きてるのかも知りたい。2013/06/02
hatayan
50
2011年刊。ソニーがなぜ色褪せたのか、経営、人事を切り口に解説を試みる本。 大賀典雄氏が後任の社長に出井伸之氏を抜擢した事情、出井氏が不安定な権力基盤のなかヒット商品を生み出せず苦悩していた内幕などが綴られます。 出井氏以降の社長は経営の比重をものづくりからエンターテインメントへ。美しい画質を誇ったテレビでは価格やデザインを優先。技術を軽視した影響は技術者の流出で現れました。 ソニーは既にグローバルな国際企業。感動させる商品でユーザを惹きつけるソニーは過去のものになってしまったと哀惜の念を表します。2019/03/10
kinkin
43
井深大と盛田昭夫氏らによって築き上げられたSONY。独創性あふれるウォークマンやVAIOなどのヒット商品で世界のSONYというブランドになるも、21世紀に入る頃から、その栄光も陰りを見せ始めた。ソニーという会社が現在のように凋落した背景にあるものは何かについて言及されていた。ソニーの今後がどうなるのか、気になる1冊だった。2014/03/24
たー
42
実態がこの本の通りだとしたら、「さよなら!僕らのソニー」というタイトルはまさにピッタリ。米国流の経営は何も生み出さないというのは成功している企業(例えばアップル)がちっとも教科書通りの経営をしていないことでもよく分かる。2012/06/03
佐島楓
39
ソニーは世界に誇れる日本のブランドだったはず。なのにどうしてここまで凋落してしまったのか、気になったので読んでみた。一番は人事、二番は市場とのかい離の問題のせいかと感じた。特にソニーブランドを支えてきたテレビ技術をないがしろにし、価格を引き下げたりコンテンツを開発することで販売につなげようとしたあたり、迷走してしまったようだ。これ以降どう立て直してゆくのだろう。関心はある。2014/10/24