出版社内容情報
“メディア戦略家”小泉純一郎の先駆者は、実は“強面”小沢一郎だった。歴代の総理・実力者はテレビカメラの前でどう演じたのか。
内容説明
世論形成に絶大な影響力を及ぼす一方、視聴率競争にさらされるテレビ報道。記者はスクープだけでなく映像も求められ、また政治家はテレビを利用しようとする。「テレビvs総理」の真の勝者は誰か?テレビ現場を知り尽くした前官邸キャップが解き明かす「体験的政治報道論」。
目次
第1章 二極対立の原理(初代メディア戦略家・小沢一郎;小沢とメディアの蜜月 ほか)
第2章 熱狂のあとで(仕組まれたテレポリティクス;仕掛け人たち ほか)
第3章 小泉政治の崩壊(二極対立の喪失;メディアとの対立 ほか)
第4章 迷走する民主党(メディア戦略の限界;小沢復活 ほか)
著者等紹介
菊池正史[キクチマサシ]
1968年、神奈川県横浜市生まれ。93年、慶応義塾大学大学院修了後、日本テレビに入社。政治部に配属。旧社会党、自民党など各政党を担当し、2005年から総理官邸クラブキャップ、07年から政治部デスクを歴任。現在は編成局所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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佐島楓
22
「メディアを制するものが、政治も制する」こと、また今現在の安部総理が前回のときと同じ轍を踏まぬようかなりメディア戦略について慎重になっていることが類推できて興味深かった。2013/05/14
takizawa
5
現代日本政治におけるメディアの役割の総括。小沢元代表がなぜ求心力を失ったかについての分析が詳しい。記者と政治家の関係は一般人には見えづらい部分なので参考になった。「私が本書を通じて最も伝えたかったことは、メディア戦略のノウハウや、『二極対立』を演出することの善悪ではなく、政治的熱狂や沈黙が、いかに自然に、そして日常的に私たちの生活に忍び込み、そして心をつかみとっていくかという実態である。」(p.249)2011/12/19
ceskepivo
4
「テレビ業界でも90年代半ばから成果主義による給与体系を導入する社が出始めた。この制度が導入されたことで、少なくとも私自身は、とにかく結果を出さないと会社に評価されない、年収を維持できないという強迫観念が植え付けられた。」(88頁)正直な告白だ。この結果、テレビは刹那的なセンセーショナリズムを求め、政治家も次回の選挙で勝つためにはテレビで注目されたいと考え、テレビの要求に答えていく。その結果、小泉総理以降、総理の寿命が短くなっている。テレビは、メディアとしての本来の目的を果たしているのか。2011/04/24
スプリント
3
メディアを利用した政治家、利用された政治家など過去の事例をもとにメディアの役割を論じています。政治の暴走、報道の暴走を抑制するためにSNSを始めとするネットの力が重要になってくるように思います。2017/03/28
yuka_tetsuya
3
マスメディアを使って権力を行使した小泉元総理。その後の総理はメディアと対決した。少数の番記者を寵愛したことで、メディア村の秩序を乱し、それが怒りを買ったことが、当事者の言葉で綴られている。田中角栄はお金で人心をつかんだが、小泉純一郎はどこにも偏らないことで人心をつかんだ。持ち上げるだけ持ち上げてメシの種とし、飽きたら貶めてまたメシの種とするというマスメディアの性癖はあきれかえる。しかしそれを希望しているのは一般大衆であるという救いがたい現実がある。庶民のレベルと政治家のレベルは、悔しいが比例する。2011/06/05
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