出版社内容情報
「髪に咲く白い花」とは白髪のこと。老いの悲しみ、宮仕えの苦しみ、家族の絆、隠居の喜びを詠った36篇の漢詩をやさしく読み解く。
内容説明
栄華を誇った前漢の武帝は、避けがたき老いを嘆き、孤高の詩人と讃えられた陶淵明は、わが子の出来の悪さに悩んだ―現代にも通じる“人生詠”の数々を滋味あふれる解説で贈る。漢詩の愉しみ、ここに極まれり。
目次
第1章 ままならない人生
第2章 老いて思う
第3章 家族の絆
第4章 閑適のくらし
第5章 憂いをはらう玉箒
第6章 出会いと別れ
著者等紹介
石川忠久[イシカワタダヒサ]
1932年、東京都生まれ。東京大学文学部中国文学科卒業、同大学院博士課程修了。桜美林大学教授を経て二松学舎大学大学院教授、同理事長、学長を務め、現在は名誉教授。全日本漢詩連盟会長。NHK教育テレビ「新漢詩紀行」解説者。号は岳堂(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ガミ
2
良い仕事に就いても、それなりに苦労することを本書の漢詩全体を通じてわかりました。特に39頁の韋応物の詩で、「九日駆馳一日閑」とありましたが、当時の官吏は大変だったことを知り、今の自分に対して、気が楽になりました。9日働いて1日だけの休日なんて大変ですよね。それなら久しぶりの休日で仕事から離れ、「詩思清人骨」(=詩情がわいて人の骨まで清らかにしてしまう)となるわけですね。この詩は特に休日の大切さを実感しました。気持ち1つで休日は私たちの心を穏やかにさせる日なのですから。2011/11/19
太朗
0
のんびりと仕事の休憩時間に、時々思い出したように読み進め読了。2013/12/17
アンコ椿
0
昨日の少年、今は白頭、まさにその心境そのまま。2012/09/17
インテリ金ちゃん
0
人生にまつわる味わい深い漢詩が楽しめた。「及時当勉励 歳月不待人」の解釈の違いに唖然!2024/10/17
yuzi
0
漢詩といえばこの人、石川忠久さん!による漢詩エッセイ。老境にいたり、「しみじみとした詩に惹かれ」るようになったとのことで、人生の節目々々で読まれた作品を6章に分け36作品を紹介している。「ままならない人生」「老いて思う」「家族の絆」「閑適のくらし」「憂いを払う玉箒」「出会いと別れ」それぞれ詩人その人について、作品を作ったときの境涯についてなどを簡易な言葉で紹介してくれるので、サクサク読める。知ってる作品もあれば、詩人その人すら知らない作品もある。寝る前に1作品、とか、いかがでしょう。2020/03/11