出版社内容情報
”戦中派”三氏と語りつくした「対談 昭和史発掘」に加え、単行本未収録だった「政治の妖雲・穏田の行者」「『お鯉』事件」の二本を併せた一冊。「清張昭和史」の最良の入門書。
内容説明
独自の史観と厖大な未発表史料を駆使した傑作『昭和史発掘』を完成後、昭和史の全体を作家の目をとおして描き直す壮大な試みが行なわれた。城山三郎、五味川純平、鶴見俊輔の三氏と語り尽くした「清張昭和史」。
目次
第1部 対談 昭和史発掘(戦前篇 不安な序章―昭和恐慌(城山三郎;松本清張)
戦中篇 吹き荒れる軍部ファシズム(五味川純平;松本清張)
戦後篇 マッカーサーから田中角栄まで(鶴見俊輔;松本清張))
第2部 昭和史発掘 番外篇(政治の妖雲・穏田の行者;「お鯉」事件)
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県生まれ。1953(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年『日本の黒い霧』などの業績により第5回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。1992(平成4)年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
121
清張が『昭和史発掘』で取り上げた問題の発生した原因と結果を、その道の専門家との対談で検証していく。昭和恐慌から農村の疲弊に至る経済混乱が、満洲征服に解決策を求める世論を形成した経緯が城山三郎により語られる。明確な目的とプランがないまま日中戦争に突入し、生産力の差を無視した精神偏重主義で対米英戦になだれ込む愚かさを五味川純平が慨嘆する。敗戦後に米軍占領下で大変革を強いられながら、学閥と官僚制は残ったため天皇制は維持されたと鶴見俊輔が分析する。つくづく日本人は、長期的視点と国際感覚に欠けた国民性だと痛感する。2026/01/17
金吾
24
対談のところは面白かったです。特に五味川さんとの2.26の話はなかなか味があり、鶴見さんとの自衛隊の話は狭隘なものであり、共に印象的でした。2022/03/12
しんすけ
23
2009年に発刊されたものだが対談は1975年に行われたようだ。そのころは昭和前期を反省する空気もまだ残っていたと思う。 だが対談相手の一人である城山三郎が、戦前回帰の空気が生まれるのでないかと懸念している。清張も同意しているのは経済政策の運営が素人で行われだしたのを見ていたからだろう。 その予言通り、能無しが日銀の総裁に収まって日本は破滅の途を邁進している状態だ。 また九条は、鶴見俊輔が米国から押しつけられた形になっているが、幣原喜重郎の意志も組み込まれてるような発言をしているのが興味深い。2023/01/22
fseigojp
13
上から目線の司馬、下から目線の松本 どっちも三島は嫌った2015/08/25
高橋 橘苑
9
城山三郎との対談を期待して読んだので、むしろ昭和史発掘番外編の方が面白かったなぁ、昭和50年という時代を感じたとか、平凡な感想を持って有馬学氏の解説を読んでいたら、心象風景が一変した。非常に優れた解説である。現代から見て各氏の発言を左翼的というのは簡単であるが、戦前・戦中という激烈な体験をした人達がある種の警戒感を持って時代を、そして日本社会を捉えていたことが重要である。バブルという熱狂もデフレという沈滞も、ただ過ぎ行く情景であったというなら、彼等のモノをいう情熱も過去のノスタルジアに包まれてしまう。2014/04/03
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