文春新書
ポスト消費社会のゆくえ

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  • サイズ 新書判/ページ数 321p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606337
  • NDC分類 335.58
  • Cコード C0295

内容説明

セゾングループの歩みを振り返ることは日本の戦後消費社会の歴史を考えること―消費社会論の研究者でもある上野千鶴子氏が元グループ総帥・辻井喬(堤清二)氏へのインタビューを通して、ポスト消費社会をどのように再構築していくか、その手がかりを探る。

目次

第1章 1950’s~70’s(前史;激動 ほか)
第2章 1970’s~80’s(黄金期;第十期 ほか)
第3章 1990’s~(失敗;解体 ほか)
第4章 2008(戦後共同体から遠く離れて;産業社会の終焉)

著者等紹介

辻井喬[ツジイタカシ]
1927年生まれ。本名・堤清二。東京大学経済学部卒業。元セゾングループ代表。現在セゾン文化財団理事長。91年に経営の第一線を退いた後、作家活動に専念。詩集に『異邦人』(室生犀星詩人賞)、『群青、わが黙示』(高見順賞)、小説に『いつもと同じ春』(平林たい子文学賞)、『虹の岬』(谷崎潤一郎賞)、『父の肖像』(野間文芸賞)。また『鷲がいて』で読売文学賞詩歌俳句賞を受賞

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は社会学、ジェンダー研究。著書に『近代家族の成立と終焉』(サントリー学芸賞)等、多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白玉あずき

39
2008年刊。中身はちっとも古びていません。セゾングループ解体の顛末はちっとも知らなかったので、当初その部分に興味を惹かれたのですが、対談のお二方があまりに博学で知恵者なため、あたかも高所から俯瞰した世界経済史の如き所まで発展した内容となっています。タガの外れた自由市場主義批判からレギュラシオン理論に飛び、日本社会の衰退を「自然史過程」ではないかと語るとは・・・ これ本当に2008年の対談かしらん。遠慮なく突っ込む上野先生に対して、感情的にもならず自己分析をする辻井氏。面白かった、素晴らしい。2020/01/06

さきん

25
セゾンこと堤清二とフェミニスト上野千鶴子の対談。堤清二のペンネームは辻井喬でちょっと紛らわしいが性格を使い分けているようで面白い。大衆社会への迎合を進めてきた西武百貨店等の元経営者ながら、三島由紀夫と共感したり、地方特性を掴んだマーケティングをするなど伝統、芸術への理解が深くて驚いた。また、男性管理職が少ない分野だったので女性雇用に抵抗なくのり出せ、女性雇用の受け皿になったことは上野氏も評価していた。2018/12/02

Nobuko Hashimoto

11
上野氏はセゾンの社史を執筆したことがあり、その経営者・堤清二(=辻井喬)氏の功罪を細部まで調べている。そのうえで本書では、セゾンの経営行き詰まりの原因やその当時の実情を本人に深く鋭く突っ込んでいく。が、糾弾とか対決といった感じではない。先日読んだ三浦展氏と堤氏の対談本も本書と内容やスタンスがかなり重複しているが、三浦氏がマーケティングや広告畑の出身であることから、そちらの話題の方が生き生きとしていて印象に残った。2015/05/03

おらひらお

7
2008年初版。タイトルと内容がやや違うような気もしますが、内容的には面白いものに仕上がっています。だけど、うちの近所にはセゾン系の百貨店がないので、他の百貨店との対比等の話はよくわかりませんでした。ファミマと無印もセゾン系だったんですね。あと、80歳を迎える辻井さんの明晰さに恐れ入りました。僕もこんな爺さんになりたいものです(金とか権力とかではなく明晰さで)。2012/08/04

うちこ

5
ドラマ『古畑任三郎』を初めて観たときのような衝撃。上野千鶴子さんの古畑任三郎っぷりがとにかく素晴らしく、まさかと思う流れから超大物が口を割る。 これまでに読んだ対談本のなかで、ダントツのおもしろさでした。
 上野さんは社会学者として自分のスタンスをその都度明確にし、切り込んでいきます。 辻井喬(=堤清二)さんが「場」や「文化」を作ろうとしても、結局「人」に人がついてきてしまう。その独裁化のスパイラル・葛藤を自分なりにどう分析していたのか。「見えてないわけないですよね」という前提で進みます。スリリングよー!2022/02/25

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