内容説明
「平」の仕事をこなし、ネットやメールで作った「平」な関係の内側にひきこもる「平成人」。彼ら=我らが生きるこの時代を、「失われた」と僻まず、「新しい」と誇示もせずに描き出す。
目次
第1章 「平成人(ヒラのせいじん)」の時代(上京の記憶;デフレと円高の「恩恵」;平成の風景;巨大都市の時代;内外学生センター;「外国人」を忘れた格差論議;環境問題も輸出される;「中産」の没落)
第2章 「平成人(フラット・アダルト)」の由来(平成の原画;つくば万博が先取った未来;「外側」のない世界;新しい住環境で生まれ育った世代;郊外の時間;瞬間のインパクトと持続的んば好感度;「ともだちのような家族」と「家族のようなともだち」)
第3章 「平成人」の価値(平成のプロセス;平成のプロレスの「価値=勝ち」とは?;「諦め」/ロープ・ブレイク;「媚態」/はぐらかし;「意気地」/どさ回り;平成と「正平」)
第4章 「平成人」の未来(アメリカの自然;アメリカ式風習;外側のない世界;世界は本当に「平」になったのか?;フラットな世界の「いかさま」;擬似生中継の戦争;「交通」と「分業」の技術;平成二十歳)
著者等紹介
酒井信[サカイマコト]
1977年長崎県生まれ。早稲田大学卒。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。現在、同大学グローバルセキュリティ研究所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
12
この本でいう「平成人(フラット・アダルト)」とは、年功序列や終身雇用が崩壊した世界のなかで、「平(ヒラ)」の仕事に就きながら生きている人、そして、このような世界のなかで、「段差」のない「平(フラット)」な価値観をもち、Eメールやmixiのようなツールで、「平(フラット)」な人間関係を構築・管理しながら生きている同時代の人たちすべてを意味する。平成の時代を生きるこの「平成人」をあぶりだす文化時評。4章構成だが、3章はプロレス談義となって蛇足。2013/08/12
pocky
2
題名に惹かれて読んでみたものの、自分より10歳年上の著書の考えには、共感できたりできなかったり。いわゆる平成生まれではなく、平成の時代を生きてきた平成人(フラット・アダルト)の1つの価値観。2015/04/05
deeeki
1
奇妙に明るい時代2008/06/18