内容説明
最前線の兵士と軍夫が残した日記と彩色あざやかな絵日記から浮かび上がる「日本人と中国人の戦争」。現物資料をもとに近代日本の戦争を描き直し、考え直す30代新鋭の衝撃作。
目次
第1章 日清戦争と軍夫・兵士(日清戦争への道;日清戦争の戦略 ほか)
第2章 旅順虐殺事件(旅順虐殺事件とは;第二連帯兵士の激昂 ほか)
第3章 北上(旅順陥落後の戦況;戦地の正月 ほか)
第4章 平和来る(講和条約結ばれる;関根、講話の詔勅を筆写する ほか)
著者等紹介
一ノ瀬俊也[イチノセトシヤ]
埼玉大学准教授。1971(昭和46)年福岡県生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程中退。博士(九州大学)。専攻は日本近現代史。国立歴史民俗博物館助教を経て、2007年10月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
66
2007年の初版。タイトルと副題が逆になっている。内容は日清戦争に従軍した兵士と軍夫の日記(特に軍夫の者は達者で豊富な挿絵があり、口絵でカラーで掲載されているのがうれしい)で、旅順虐殺事件につながる内容などに注目はしているが、もっと多様なもの。この軍夫の日記がすこぶる興味深い。軽妙な語り口で、様々な出来事を記している(私家版での出版のようだ)。著者はこの二つの日記に補足する史料を組み合わせ、日清戦争と日中戦争を世代の断絶があるからこそある意味連続性を持った、つまり日清戦争の反省が不徹底ではと論じる。2022/03/11
takeapple
13
日清戦争に従軍した兵士と軍夫の日記を丹念に読み解き、旅順虐殺事件と南京虐殺事件の類似点等について書いている。旅順虐殺事件についても軍夫についても知らなかった。戦争という非日常に結局人間は耐えることができないから、相手を見下し、殺されても当然の存在だとするしかないのだというのが感想だ。歴史修正主義者のそういうことだろう。だから戦争をしないことこそが一番で、そのためには人類の過去を丹念に読み解く歴史学はとても大切だと思う。戦争は単に戦闘開始から始まるのではないので、そこに至る道まで含めて過去から学んで行きたい2019/09/15
星辺気楽
3
日清戦争の従軍記。当時の日本人の中国人に対する意識が良く分かる。南京虐殺事件の何十年も前に同じような事件があったなんて初めて知った。日本の中国侵略は個別に見てはいけないと思った。 2014/06/28
小出享一
1
日清戦争の兵士と軍夫の従軍記。なかなか面白い視点で書いていると思う。2014/07/22
あらま
1
貴重な記録。でもなんだか最後のほうが、腰が定まらないぞ。何に気を使ってるんだか、若いのに。2010/01/15