内容説明
カネを返さずとも破産でチャラ?親殺しで重罪は不平等?試験秀才で、独りよがりな裁判官たちが、法や正義の名の下に、いかにこの国の「道徳」を破壊してきたかを暴露する。
目次
第1章 破産免責による道徳の破壊(給食費・保育料不払いの親;払えるのに払わないとは何だ!;破産免責制度の真実;裁判所の運用実績;経済道徳の変化)
第2章 親殺しの普通化(「尊属殺人罪」と「平等原則」;判例変更;周囲の対応;一般論判決の違法;道徳はどこへ行った?)
第3章 国旗国歌には尻を向けよ(仰天判決登場;事件の紹介;本件判決の骨子;本件判決の検討;クローズアップ「誤判の中核」;法律に基づかない裁判)
著者等紹介
井上薫[イノウエカオル]
1954年東京生まれ。78年東京大学理学部化学科卒、80年東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了。83年司法試験に合格。86年判事補、96年判事に任官。2006年4月、横浜地裁で退官。司法行政の裁判干渉に抵抗し、裁判官の独立を守り抜いたことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鉄人28号
7
☆☆☆☆ 破産免責、尊属殺人、国旗国歌強制違憲訴訟の3つの判例を例に挙げ、不当な判決、違法な判決文(蛇足判決)が横行していることを論じている。それが、社会秩序や道徳の破壊につながると述べている。上記の3つの判決は常識で考えればおかしい。ところが、裁判官は法規や判例を機械的に当てはめて判決文を書いているのではないか。そのためそこに世の常識が欠けてしまうということだろう。国会と内閣の人事には民意が反映されているが、裁判所の場合は最高裁長官を除いてそうではない。国民のチェックの外にあるということに気づかされた。2017/10/05
ラスコリ
2
現代裁判所のボロを著者の研究から明らかにした本。 この本を読んで、著者のイメージが少し変わった。国旗、国家の部分で特に。 少し著者の思いが強くて、本当かなと思う部分があったが、全体的に面白かった。2014/08/30