文春新書
戦争指揮官リンカーン―アメリカ大統領の戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 305p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166605620
  • NDC分類 253.06
  • Cコード C0222

内容説明

アメリカはなぜ戦争をするのか?すべては南北戦争から始まった。軍人に代わってリンカーン大統領が自らモールス電信を駆使して指揮した南北戦争こそ、アメリカの戦争の原型である。

目次

アメリカにとって「正義の戦争」とは?
リンカーンはなぜ勝つことができたか?
首都に危機せまる―カーネギーがつくった戦争省電信室
「わが軍敗走中」―電信が初めて伝えた戦争・ブルランの戦い
戦わぬ将軍はクビだ―リンカーンの将軍操縦法
「無条件降伏せよ!」―北軍にグラントあり
電信で戦争を指揮できるか?―リンカーンの挑戦
奴隷解放も戦争だ!―「奴隷解放宣言」前夜
「戦争はむごい方がいいのだ」―リー将軍の北部侵攻作戦
一通の電信が北軍を救う―ゲティスバーグの戦い
「リーをなぜ捕らえないのか」―打電されなかった大統領の電文
電信不通―グラント将軍のミシシッピ川隠密作戦
「とことん噛みつき噛み殺せ!」―リンカーン最後の賭け
「神と人間性の名において抗議する」―南部壊滅作戦の代償
「現実の戦争は書かれることなし」―「正義の戦争」の誤算

著者等紹介

内田義雄[ウチダヨシオ]
1939年新潟県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業後、日本放送協会入社。主に国際報道番組の企画制作を担当。サイゴン特派員、ニューヨーク特派員、報道局プロデューサー、「ニュースセンター9時」編集長、NHKスペシャル番組エグゼクティヴ・プロデューサー等を歴任。現在、大正大学非常勤講師(国際社会論、メディア論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fseigojp

31
南北戦争はヨーロッパの軍人からは芸術的でないと評価されなかったが武器の大量生産(部品管理の徹底)や電信の活用など近代戦の幕開けという側面があった2015/10/20

鐵太郎

8
本の主題となるのは戦争の経緯です。特に軍事を知らないリンカーンが、言うことを聞かない誇りだけは高い軍司令官たちに手を焼きつつなだめ、おだてて戦争を遂行する様子ですね。彼は当時の最先端の通信手段である電信をフルに使い、時には前線にまで出て将兵を激励し、戦争を指揮しました。アメリカ人にとって大統領とは、自分たちの最高指揮官であると共に、最大の利益代表者なのです。戦争とは、軍人がするものではない、軍司令官を使う選挙のよって選ばれた文官が行うものである。この原理も、この戦争で確立しました。この本は、そんな本。2009/01/09

富士さん

7
再読。やたらにイラク戦争と絡めるのが引っ掛かりますが、正義を民主主義に絡めて正当化させる論理、電信を使ってボードゲームのように行われる戦闘、大規模化と機械化によって失われるリアリティと、アメリカや戦争の歴史というよりも、大味なハリウッド映画の基本線が南北戦争に見えることが分かります。本書は、手軽に読める南北戦争の通史として貴重であるのと同時に、この時代からすでに戦争はただの人殺しの集積を離れて、聖化された特別な暴力になっているのが分かる、テーマを持った歴史著述になっている点、興味深い名著だと思います。2019/08/14

ジュンジュン

5
南北戦争=リンカンの戦争として、当時登場した電信(モールス信号)を使っての戦争指導を描く面白い試み。アジャストしていくリンカンの姿もよかったが、一番の収穫は南北戦争の変遷を知れた事。ワシントンとリッチモンド(南部側の首都)はわずか160kmでここが主戦場。ロバートリーやストーンウォールが活躍。もう一つはミシシッピ川沿い、グラントやシャーマンが頭角を現す。最後は海上封鎖で北軍が断然有利と、三つの戦局からなる。出版当時の状況(イラク戦争)を色濃く反映しているのが唯一残念なところ。2019/12/21

4
スピルバーグの『リンカーン』を観たので南北戦争について補完するため読んだ。概説書としてはよくまとまっていて、リンカーンが積極的に活用した電信を中心に戦線の解説がされている。ナポレオン時代の戦争のやり方から抜け切れない将軍達に、素人として新視点でもって事細かに指示を出していくリンカーンが映画の物静かな人物像とは対照的だった。その細かさは正直上司にしたくないレベル(笑) ところで著者は南北戦争がアメリカが戦争好きな国になる原因になったと再三力説するが、少々無理筋な部分も多く若干鼻に付くのはマイナス要素だった。2013/05/12

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