出版社内容情報
部落とは何なのか。差別は解消したのか。全く新しい視座から捉える全国六千部落、三百万人の真実の姿。部落を知ると日本がわかる。
内容説明
そもそも部落とは何なのか。差別は解消したのか。同和教育の功罪は?初歩から考える被差別部落の真実。深く知ることで浮かび上がる、もうひとつの日本。
目次
第1章 部落ってなに?
第2章 部落民って誰?
第3章 部落問題の見方
第4章 部落差別は、なぜ残っているのか
第5章 部落問題をなぜ学ぶのか
第6章 部落差別のなくし方
著者等紹介
角岡伸彦[カドオカノブヒコ]
1963年、兵庫県加古川市の被差別部落に生まれ育つ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞記者などを経て、フリーのノンフィクションライターに。大阪市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
56
今日に於いても、未だ『部落問題』は存在するという事を改めて知らされた。よく、学校のホームルームの時間や企業での社員研修で、時折、差別や部落問題、同和問題に関する小冊子を配られたり、又ビデオを見せられたりした事とはあったが、もう既に過去の話であり、私自身にとっては全く興味もなく関係ない事象であった。この本は『はじめての部落問題』というタイトルの通り、この問題について平易に記されており、基礎知識の無いものにとって、意識付けになる本である。国内にも、まだ多くの未解決の問題が山積されているという事実を知らされた。2010/09/10
さおり
53
先日、部落出身の人の講演をききました。結婚を反対されたこと、人間は差別する人としない人の2種類にわけられること、自分の仲間はたくさんいて辛い時はいつでも集まってくれること、が、講演できいたお話の主な内容かなと思いましたが、もともとない知識がわけわからんーってなっただけで。なので、ちゃんと学ばなあかんかなと思って読んでみました(講演の人はこの本の作者ではありません)。んーでもやっぱりよくわかりません。よくわからない何かで、人は差別したりされたりするんだなというのが、今わかってること。2018/02/08
yamatoshiuruhashi
51
「部落は怖い」、「触らぬ神に祟りなし」的な意識、同和教育と一線を画す本質的な話。著者自身が「被差別部落」出身者であるが、バリバリの解放運動家や逆の利権屋でもない。人として何も異なるところのない人を差別する「部落問題」の急所をわかりやすく、取付きやすく論述する。車内教育用に複数冊を調達。2023/03/13
糜竺(びじく)
19
思いのほか読みやすく、部落問題について色々と知ることが出来た。2024/12/30
そうたそ
17
★★★☆☆ 小中学校で同和教育を受けた記憶はあるが、本書でも述べられているような、ビデオを見せられて感想を書くだけのものだった。得てして、そういう時に見るビデオとは陰鬱とした内容でつまらない。見終わったあとも結局同和問題とは何なのかというもやもや感が残る。なぜ部落差別があるのかという問いに答えられぬまま学校での同和教育を終える学生は多い気がする。本書では至って簡潔明快な語り口で同和問題を説明してくれる。部落問題を知るに最適な一冊ではなかろうか。2019/12/16