内容説明
中華思想の本家・中国。小中華の韓国。遊撃隊国家の北朝鮮。彼らの「国是」である反日の起源をたどり、各国の主張を実証的に説得力をもって論破。東アジアに共生共存の可能性をさぐる。
目次
第1章 侮日の伝統
第2章 終わりなき「反日」
第3章 東アジアの近代の超克
第4章 東アジアの「過去からの攻撃」
第5章 永遠の東アジア歴史論争
第6章 北朝鮮―カルト国家の起源と実態
付論1 シャーマン化する「在日」文化人
付論2 靖国神社と東アジアの霊魂観
著者等紹介
古田博司[フルタヒロシ]
1953年、横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院東洋史専攻修士課程修了。ソウル大学師範大学院国語(韓国語)教育科に学びつつ、延世大学、漢陽大学などで日本語講師を六年間務める。下関市立大学助教授を経て、筑波大学人文社会科学研究科教授(東アジア政治思想)。法学博士(筑波大学)。『東アジアの思想風景』(岩波書店)によりサントリー学芸賞受賞。『東アジア・イデオロギーを超えて』(新書館)により読売・吉野作造賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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koishikawa85
6
20年近く前の本でおそらく以前一度読んだろうが、もう一度読み直した。反日を打ち出す3ヶ国を批判しているわけだが、ネトウヨ本などではなく面白い。これらの批判は、日本自身が通り過ぎてきた過去からの攻撃であると指摘している。2024/06/26
undine
2
2024/9/1再読。結局、あれから北朝鮮は3代目に代替わりし、中国、韓国でも指導者が代わってきたが、反日は変わらず、むしろ状況は厳しくなっている。儒教的な礼に基づいて日本を道徳面で劣っている国として位置付ける以上、日本はこれからも攻撃され続けるとの見立ては今も有効。日本は相変わらずいうべきことを言えないので、状況も良くならない。2010/06/01
伊藤チコ@革命的cinema同盟
2
随所随所で筆者がキレぎみなのに笑ってしまった。一歩間違えれば悪口に読めるんだけども踏みとどまって読むと根底に「諦め」が感じられる。中華思想を独善的井の中の蛙思想と喝破し、それがなくならない限り東アジアに平和は来ないとのこと。独善的な見方もあるけれども、中華思想・小中華思想が礼つまり道徳に基づく儒教で相手の優越を図り、日本は経済の優越で相手を図るので分かり合えるはずがない視点は興味深い。なお、本作では北朝鮮の優位性とか美点というかそういうのが推されているのでそこも見どころ。2020/05/03
Kentaro
2
この中華思想の根幹には儒教思想と礼に従う分かがあり、死後、火葬など言語道断、混浴など礼に失するといった具合で日本を野蛮な属国と見なしていたにも関わらず、日韓併合をされ、植民地となり、日本に屈した事実を決して認められない中での行動一つ一つが反日活動に符合することを解説してくれています。 かつ、韓国、朝鮮の反日の人たちの考えがこの小中華思想に基づいているとすると、悲しいかな正確な歴史を見つめられるようになるまでは折り合うことはできないのだろうなと感じた一冊でした。2017/07/07
tkm66
1
これは結構重要な内容だった、との覚えが。2013/05/22