内容説明
同世代だからこそ見えてくる皇太子の苦悩に共感しつつ、夫と妻、母と子など、皇室内の人間関係を多角的に検証。象徴天皇制の限界を超える新しい皇室像を探った画期的論考。
目次
第1章 母の黙契―美智子さまと皇太子(無意識レベルの帝王学;教育が最大の事業となった時代 ほか)
第2章 父子相克の宿命―天皇と皇太子(皇室に何が起きているか;天皇陛下の疎開体験 ほか)
第3章 結婚の条件―美智子皇后と雅子妃(母・皇后への深い敬意;白洲正子の提言 ほか)
第4章 正田家と小和田家(正田家の特質;大陸とのつながり ほか)
第5章 皇太子の愛(皇太子の愛とは何か;「公園デビュー」の隠れた意味 ほか)
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒。慶応義塾大学教授。93年、『日本の家郷』で三島由紀夫賞受賞。96年、『甘美な人生』で平林たい子賞、02年、『地ひらく 石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
18
時代に応じて皇室も徐々に変わってゆくと感じました。美智子皇太后に対する華族の反発に唖然とするものがあります。2024/03/07
雨巫女
3
美智子皇后も雅子妃も色々大変だと思った。2009/07/09
aoi
2
1冊すべてが雅子妃の公務休養問題のためにあるような本。美智子皇后→皇太子→皇太子妃と影響されているんだ、というスタンス。これが1冊をとおして解説されてるんだけど、ちょっとあきちゃった。「皇太子と同世代」を切り口としているためか、同世代の仲間内で気持ちを確認しあっているような書き方に感じられる。2016/03/17
おらひらお
2
2005年初版。何気なく手に取った一冊。それぞれの実家の環境や世代の違いのもとに二人を対比したものです。比較的落ち着いた筆致で安心あkンを持てる内容でした。2012/12/13
ダイキ
1
「疎開世代の、父祖の偉業が灰燼に帰する光景を瞼に焼きつけた視線、その覚悟の深さ――『生きることに意味があるから生きているのではない。意地で人が生きられることを自分に納得させるために生きているのだ』(「山川方夫と私」江藤淳)とでもいうような――の前で、皇太子の世代はいかにもひ弱い。反抗を知らず、高度成長時代の恵みを享受してきた息子世代の闘いは、展望も迫力もない。にもかかわらず、相克は不可避であり、そこからしか、象徴天皇制の限界を超えるような新しい皇室の姿は見えてこないのである。」〈第二章〉2018/10/04