内容説明
若葉の萌えいづる日光、那須の野をわたる風。月の松島、雨の平泉。山寺の蝉も鳴きやむ夕暮れ、雲流れゆく月山、若狭の浜に散る萩の花…。芭蕉の旅にあこがれ、同じ道程でみちのくをたどった、練達の筆による紀行エッセイ。芭蕉と曾良の会話が現代文で生き生きとよみがえり、彼らが旅の空で出会った人々との交流が、情趣豊かに描かれます。芭蕉の知られざる一面を発見し、数々の名句に新たな味わいを見出せる、旅行のお供にも必携の一冊。
目次
深川・千住・室の八島
日光・那須野
白河の関・阿武隈川・須賀川
安積山・黒塚・しのぶの里
飯塚・笠島・武隈の松
仙台・おくのほそ道・多賀城・末の松山
塩釜・松島
石ノ巻・平泉・尿前の関
尾花沢・立石寺・大石田
出羽三山・鶴岡・酒田
象潟・村上・今町
市振・那古・金沢・小松
山中・全昌寺・吉崎
福井・永平寺・敦賀・大垣
著者等紹介
杉本苑子[スギモトソノコ]
1925年東京生まれ。文化学院卒。62年『孤愁の岸』(講談社)で直木賞、78年『滝沢馬琴』(文藝春秋)で吉川英治文学賞、86年『穢土荘厳』(文藝春秋)で女流文学賞をそれぞれ受賞。87年紫綬褒章受章。95年文化功労者に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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