出版社内容情報
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』12作がオリジナルのB5サイズで復活! 手塚治虫のダイナミックな描線を堪能できる大判サイズ。生誕80年を記念して、なつかしのデザインで。毎月2冊ずつ刊行予定。第4回は「乱世編(上)」と「乱世編(下)、羽衣編」の2冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
76
人がいる限り戦争はなくならない?ならば人は何のために存在するのか。歴史としては奇襲が勝敗を分けた一ノ谷の戦いから、壇ノ浦(後述)。平氏の船にはおぶうが乗っていた。弁太との再会だったのだが・・・平氏は滅亡したが頼朝の信用を失った義経は山伏の一団を襲い逃げる(後述)。12世紀の話なのに電話が登場するのは手塚流。白兵衛と赤兵衛の話は何を意味する?現代に生きる我々は戦争ばかりの歴史を変えられる?諸行無常の大ロマンを敗戦の日に読むのは意味があるはず。2020/08/15
keroppi
61
権力に取り憑かれ、その権力を永遠のものとしたいため、不老不死になるという火焔鳥の生き血を求めて争う。この「乱世編」では、そういう権力者の幻想として「火の鳥」が描かれる。いつの世も、そういう者たちは現れ人を殺す。あの義経すら残虐な男として登場する。弁慶をモデルとした弁太が、どこまでも愚鈍で愛すべき人間として描かれているのが対比的だ。生きものの悲しい性なのか。「羽衣編」は、COM版が問題あり、そのままの再録は見ることが出来ない。その後の編と合わせてドラマが深まるはずだったのだが不完全に終わってしまい残念だ。2020/11/04
りんご
36
続けて下巻。義仲も永遠の命を願います。みんなそれぞれの理由で戦いますが、子が親を殺し、過去の仲間を殺し、見捨てるのは修羅というしかない。義経もまた時代のコマとして働き、去ります。歴史に名を残した彼らの行いは、過去の我々に(そこでこうすれば良かったのに)と採点されます。何も残さないであろう私の行いは誰にも採点されないだろうけど、自分自身には納得できる人生でありたいです。羽衣編。舞台か人形浄瑠璃か。同一アングルでコマは進みます。暗転、スポットライトが効きます。2022/04/29
出世八五郎
24
戦争反対メッセージ〈乱世編〉の後の〈羽衣編〉は1500年後の物語を続きとして読みたかった。8巻までの私的エピソードランキング→①復活編or未来編③鳳凰編④宇宙編⑤黎明編~ヤマト編⑦羽衣編⑧望郷編⑨乱世編!!2015/12/23
リッツ
22
清盛、義経、弁慶…歴史上の有名人の描かれ方が面白い。子供の頃、義経のイメージは悲劇のヒーローだったが、ここでは…。巡り合わせに翻弄されながら平家の女になっていくおぶうが印象的。そして彼女も檀ノ浦に散る。2024/05/24