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文春新書
司馬遼太郎という人

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  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604098
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

「自分を面積も質量もない、点のような存在にしないと物が見えてこない」。生前、司馬遼太郎氏は繰り返しこう語ったという。大変なユーモリストだったこと、権力風を吹かす人が大嫌いだったことなど、担当編集者として30年、その間耳にした“日常のひと言”をたよりに、人間・司馬遼太郎に迫る。

目次

1 司馬さんのかたち
2 創作の現場近くで
3 書くことと話すこと
4 作品の周辺
5 司馬さんの小景
6 出版について
7 病気、そして死

著者等紹介

和田宏[ワダヒロシ]
1940年、福井県敦賀市生まれ。1965年、早稲田大学文学部仏文科卒業。同年、文芸春秋に入社。「司馬遼太郎全集」など、同社出版部で長く司馬氏の担当編集者を務めた。2001年、退社。2002年、日本海文学大賞受賞(筆名・賀川敦夫)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

36
30年という異例の長さ、司馬先生の担当編集者をしていた著者による一冊。氏の人柄や思想、作品の周辺にからむ話題等々。司馬ファンとしてはとても嬉しい内容。人間集団の怖さについて、「(集団に)熱狂がおこると、一人ずつが本然にもっている少量のバカが、足し算でなく掛け算になって、火山が噴火するように、とんでもない愚行をやる」、心しなければならない箴言だ。小説はほぼ既読のなか、未読の評論集を多数知ったこともラッキー。2021/12/26

CTC

13
04年文春新書。司馬さんの死ののち8年目に記された本だ。著者は文藝春秋社で永らく司馬番を務めた方である。 この本は借り物で…正直私は編集者あがりが書く楽屋ネタは、マスターベーションの類ばかりだから唾棄しているのだが…本書は全くそのような事がない。『街道をゆく』を読み終えかけて喪失感の中にいる私と同じような、司馬ファンに向けて、より強く愛惜の念をもつ著者が等身大の司馬さんを語ってくれる。尤も退社後とはいえ、著作権継承者が身近にあって、更に古巣から上梓するのだから、書けることは限られるのだろうけれどね。2018/06/25

メロン泥棒

11
司馬遼太郎の担当編集を30年近く勤めた方の本。生の司馬遼太郎のエピソードがとても面白い。『坂の上の雲』がTVドラマになっていたが、司馬氏は映像化にずっと反対していた。というのも、『坂の上の雲』は明治維新後の日本が近代国家の坂を駆け上がる内容で、その対として日本がその坂を転がり落ちる「ノモンハン」の小説化を構想していたのだが、「ノモンハン」のあまりの酷さに司馬氏が小説化を断念してしまったため『坂の上の雲』だけが残り、日本人を過剰に賛美していると誤解されたくなかったからだそうだ。司馬氏の考えに触れられる良作。2012/01/03

うた

8
『関ヶ原』で司馬さんの小説の面白さに気が付き、『国盗り物語』『燃えよ剣』『胡蝶の夢』ときて、『箱根の坂』と読み継いできたところで閑話休題。司馬遼太郎はどんな作家だったのだろうか。30年間近く担当編集していた和田さんから見た司馬さんは、よく自身を律しながらも、子供のような好奇心の持ち主であり、また気遣いのできる洒落た人である。偉ぶらず、自作への「司馬史観」という呼称にも苦い顔をする。「二条城なんて、文芸春秋でも造れるよ」なんて(笑)。あと『日の名残り』を絶賛していたとは知らなかった。2013/03/20

金吾

7
○司馬遼太郎さんの魅力がよく伝わる一冊であり、著者は本当に司馬さんが好きだったのだなと思わせる話でした。面白かったです。2019/12/06

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