文春新書
追憶の作家たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 249p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603725
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

内容説明

小説のなかに、作品の背景に、作家自身の顔を想像することはないだろうか。作家はあらゆる人間を描くことが可能であるが、それでは、人間とは何かを考え、創作する人間、つまり作家とはどんな人間なのだろうか。―わが国で初めて文芸誌の女性編集長になった筆者が、親しく仕事をつづけた多くの作家のうち、とりわけ思い出深い七人の作家、松本清張、西条八十、埴谷雄高、島尾敏雄、石川淳、大岡昇平、日野啓三それぞれの実像を、あざやかに描出する。

目次

第1章 松本清張
第2章 西条八十
第3章 埴谷雄高
第4章 島尾敏雄
第5章 石川淳
第6章 大岡昇平
第7章 日野啓三

著者等紹介

宮田毬栄[ミヤタマリエ]
1936年、東京に生まれる。1959年、早稲田大学文学部仏文科卒業。同年、中央公論社に入社。「週刊コウロン」編集部、出版部などを経て、文芸雑誌「海」編集長、出版部部長、中公文庫副室長、「中央公論文芸特集」編集長、雑誌編集局局次長を務める。1997年に退社。現在はフリーで新聞、雑誌に文芸エッセイを寄稿
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感想・レビュー

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harass

78
中央公論社の編集者だった著者による、作家たち七人の思い出をまとめた新書。文芸誌「海」の編集長でもあった著者は名物編集者安原顕とのことを書いていると聞いたので手にとった。不仲で島尾敏雄に仲裁してもらったが折り合いはつかないままだったとごく短いが実に苦々しい。しかし、作家たちの生の姿にいろいろ驚く。埴谷雄高の本名が般若豊だとか、石川淳の気難しさなど、へえと思うエピソードが多かった。著者によると、編集者というものは作家の葬儀まで面倒をみるという他にない珍しい仕事なのだという。晩年の作家たちなど興味深い本だった。2018/10/05

星落秋風五丈原

14
女性初の文芸誌編集長を務めた女性の回想録。小説のなかに、作品の背景に、作家自身の顔を想像することはないだろうか。作家はあらゆる人間を描くことが可能であるが、それでは、人間とは何かを考え、創作する人間、つまり作家とはどんな人間なのだろうか。—わが国で初めて文芸誌の女性編集長になった筆者が、親しく仕事をつづけた多くの作家のうち、とりわけ思い出深い七人の作家、松本清張、西条八十、埴谷雄高、島尾敏雄、石川淳、大岡昇平、日野啓三それぞれの実像を、あざやかに描出する。「海」編集の Y氏との確執とか余計じゃないかな。2004/08/09

イカ男

2
読んだのは、第一章の「松本清張」のみ。入社早々に「清張担当」になった新人が、テキヤをとっちめる逸話が面白い。顔に似合わず、腹のすわった人のようです。この人のお姉さんが文藝春秋にいた藤井康栄ですよね。姉妹で清張担当だったのですね。うらやましい限りです。2012/08/07

きさらぎ

1
編集者から見た担当作家についてのエッセイ。松本清張、西條八十、埴谷雄高、島尾敏雄、石川淳、大岡昇平、日野啓三。西條八十のみ未読。最初に担当した作家が松本清張だったというのがすごいが、初対面で好きな作家を訊かれ、苦し紛れにミステリー嫌いを隠そうとポーの名を挙げた筆者に対し、作家は「苦笑しながら、とりあえず私を取材で鍛えようと考えたらしい」と筆者は懐古する。向こう見ずな筆者を父親のような情愛で見守り、教育するようになる作家の姿勢に何だかじんときて涙ぐんでしまった。どの章も心の交流が伝わってきて心打たれる。2015/05/26

ピラックマ

1
これは面白い!中央公論社編集者、「海」の編集長(わが国で初めて文芸誌の女性編集長だそう)であった著書の作家達との回想録。 松本清張、西条八十、埴谷雄高、島尾敏雄、石川淳、大岡昇平、日野啓三、この錚々たるメンツが皆メロメロ。 松本清張と写っている宮田女史の昔の写真を拝見すると、こりゃそうなるの判る。時代が時代だけにドンズバ60sキューティーズ! 室生犀星の小説をドラマ化した『火の魚』尾野真千子演じる編集者「折見とち子」がまんま居た。2011/11/02

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