文春新書
日本神話の英雄たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603428
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0295

内容説明

戦後、政治的な理由のために学校教科書から消えた日本神話。しかし、虚心坦懐に読んでみると、その物語世界はすこぶる面白い。日本の「精神性を反映した貴重な文化遺産」(「はじめに」より)のなかで、スサノヲノミコトやオホクニヌシといった英雄たちはどう描かれ、何を象徴しているのか?神話に広がる謎を解きつつ、ユング心理学の観点からその英雄像を分析する―知的好奇心を刺激する一冊。

目次

第1話 英雄神か穀物神か―スサノヲノミコト
第2話 誓約の謎を解く
第3話 海幸・山幸の争い
第4話 エジプト神話と日本神話
第5話 オホクニヌシ
第6話 トリックスター

著者等紹介

林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年、長野県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。現在東京女子大学文理学部教授。日本ユング研究会会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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金吾

22
日本神話の英雄たちの人間くささが微笑ましく感じます。エジプトやギリシャ神話との比較も良かったです。2022/05/03

うえ

8
「カーニバル本来の特徴は徹底した「反秩序」「反道徳」です。もちろん標的は教会です。まず、司教とか司祭を追い払ってしまって、その格好をした子供が儀式のパロディを演じます。その傍らでは賭事をしたり、わざと臭い脂っこい食べ物を焼いて食べたり…古靴の革を焼いて耐えられない悪臭をさせたりしたといいます…既成の秩序を徹底して破壊してしまうという、年に一度のこの馬鹿騒ぎは、民衆のうさ晴らし、ガス抜きの作用をもっていた…同じことは日本の祭にも言えます。日常の秩序はひとまず棚上げにして、存分にエネルギーを発散させます」2020/04/15

K K

3
相変わらず林道義さんいいですね。 禁止されると必ずやぶり、鶴女房、うぐいすの里、青髭については別途検証していただきたい。神さまが泣いたり笑ったりするのは、万国共通でいみがこめられている。 神話は常に変化しており、文章として記録したために定着して固定化された、というのは納得。 "三というのは、男性的な数字である。三というのは、不安定な数字だ。三は二になりたがったり、四になりたがるから。"フォンフランツ 深すぎて、要再読。2018/07/26

ゴッツ

2
スサノオ、ヤマトタケル他にも知らない日本神話の神が登場し他の国の神との共通点を説明しながら登場し理解がとても深まった。スサノオたちのようなトリックスターの行為は今で考えると常軌を逸した行為で怪訝な目で注目を浴びるが当時は英雄として祭り上げるとなると今と昔の価値観に驚かされる。2015/07/21

やすかりし

1
心理学という学問はその学説の「正しさ」を証明できる根拠をどこに置くのだろうか。著者はこの本の中で河合隼雄氏の理論を否定していたが、その根拠となる「数」の心理学的な意味の解釈の仕方など、私には理解できない部分も多かった。そして著者の論もまた他の誰かに否定されるのだろうが、その際の根拠も「そう言われればそう言えるかもね」ということなのだとしたら。なんてことを考えさせられたりもしたが、神話はそれが記録された時点の人々を写すものなので、それ以前の、またそれ以降の考え方で理解すべきでない、など示唆に富む内容だった。2019/12/08

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