内容説明
中学入学の十二歳から国民皆習、「第二公用語」のごとく親しんでいるはずなのに、「英語は苦手」と拒否反応を示す日本人はなぜ多いのか?―アメリカ大統領のスピーチの巧拙や、映画の有名シーンに秘められた意味、インターネットの面白サイトなどの数々を例示しつつ、マーク教授がその“謎”に迫る。外国語として日本語を学び、また豊富な教育実体験に基づく卓見は、まさに日本人必読。
目次
1 不思議なアメリカ、謎のニッポン(「バカ息子」のバカさ加減;趣味の問題ではあるけれど ほか)
2 あやしい英語とまがいものの日本語(どうやってつなげるか;世界一簡単な英語の本 ほか)
3 英語と日本語のあいだに(D・キーンの明治天皇伝;もしも英語が話せたら ほか)
インターネット英語講座(Arts & Letters Daily;The Internet Movie Database(IMDb) ほか)
著者等紹介
ピーターセン,マーク[ピーターセン,マーク][Petersen,Mark]
アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。コロラド大学で英米文学、ワシントン大学大学院で日本近代文学を専攻。80年、フルブライト留学生として来日、東京工業大学で正宗白鳥を研究する。現在、明治大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
4
購読本読了。タイトルからはちょっと想像しづらいが、日本語学習歴が長い(そして、ネイティブレベルの)筆者が言語習得の道のりで感じた雑感をエッセイに綴った本。両言語に精通しているだけに2言語の比較が示唆に富み、とても興味深い。本当の批評がない日本語の映画評論、未だに改善しない辞書の間違い、英語公用語化の勘違い、等々。言語そのものを理解する為に他言語との比較は意義がある。翻訳や字幕をもっと気をつけて読んだり見たりすると、色んな面白い気づきがあるのかも。巻末のインターネット英語講座も役に立つ。2018/07/21
パンジャビ
4
日本人より日本の事をよく分かっており(銀行名は漢字にして欲しい、だなんてビックリ)アメリカの事も日本語で丁寧に説明してくれる。そして時々毒舌な(笑)ピーターさんの本。クリントン大統領のスピーチが上手いのを、言葉のチョイスから説明されていて、こんな細かい点から優れているのか、と驚き。カサブランカの映画、ちゃんと見たことないけど、セリフに込められたニュアンスが解説されていて目から鱗。2018/05/18
りさんた
3
「英語の壁」というより、著者の「日本語の壁」の部分が多かったように思う。 ちなみに「By the way=ところで」ではない。これはショックだった。だって学校でそう習ったんだもん。学校での英語学習は忘れてしまった方がいい面もあるのかもしれない。2009/04/11
寝子
2
「日本人の英語」の人の本、面白いし為になる。 ・リベラル全開、子ブッシュの教養の無さにびっくり。 ・日本人が英語ができないとされる根拠の1つにTOEFL/TOEICのスコアの国別順位がよく挙げられるが母集団の質も考慮すべきとのこと。本気留学組だけ受ける国もあれば日本のように取りあえず受けく層の多い国もある。 ・a/theの論理は日本語にもある、例えば、Now is a/the chance.⇔今は/がチャンス 英語を最初に教えるとき、日本語と一対一対応にはなってないよって伝えるだけでも大分違うと思う。2017/11/13
speaklow
1
安定の面白さ。岩波のよりは気軽に読めるけれど、著者の日本語訳つきの英語の例文もたくさん出て来たので勉強になりました。最終章の役に立つ英語のWebサイトは、内容は良いけれど、数字の1とアルファベットのIが同じに見えるフォントで読み辛い。これは編集さんが悪いのか。2016/07/09