内容説明
日々、国内外の出来事を伝えるテレビや新聞のニュース、巨大な証券市場を動かす経済通信電、何百万の観客を動員するハリウッド映画―現代社会は、マスメディアが構築したイメージの城である。マスコミの流す情報が、事実と一致しないことはわかっていても、競争社会を勝ち抜くために、また豊かな生活のためには、マスコミ情報を利用せざるをえない。では、その信憑性をどのように確認すればよいのか。イラク戦争報道からCGアイドルまで、豊富な事例をもとに、メディアのカラクリを明らかにする。
目次
第1章 マスコミ騙し屋
第2章 ジンジャー報道―エンターテイメントとしてのニュース
第3章 女優シモーヌは誰なのか?
第4章 同時多発テロ事件が試した「報道の限界」
第5章 クローン技術と呼ばないで
第6章 総括―新しい時代のジャーナリズム
最終章 国際報道の実態―外国メディアが作る日本のイメージ
著者等紹介
小林雅一[コバヤシマサカズ]
1963年群馬県生まれ。東京大学理学部卒業。エンジニア、雑誌記者を経て米ボストン大学に留学。マスコミュニケーションの修士号を取得後、ニューヨークで記者活動を再開。通算9年の滞米生活を経て、2002年9月に帰国後、ライターとして活動中
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感想・レビュー
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金吾
21
例に出している話は興味を引く話であり面白いです。マスコミの過大な保護という既得権益があるかぎりあまり信用するのはよくないと感じます。2023/11/18
こにいせ
3
紹介されているトピックスが非常に魅力的。メディア芸術家に振り回される、アメリカの大手メディアコングロマリットのお歴々。とにかく筆者が仕入れてきたネタが面白い!しかも、その筆致が素晴らしい。簡単に騙されるマスコミを、やっかむわけではなく、紋切り型に正論を垂れるわけでもない。アイロニーでもない。そんなマスコミを、単に「ポップ」に楽しんでしまう為の方策を模索することは、非常に生産的な議論であり、これこそが批評ではないか。2010/03/31
シン
1
まずまず。2006/02/11
TYURA BOY@CULTURE
1
マスコミが捏造ニュースに巻き込まれる様、日本の報道体制批判等を描く。2012/09/13
初美
1
弟の課題図書を拝借。 / 作者の総括は退屈でしたが、騙し屋・CG女優・クローン技術etc…読み物的に面白い内容で楽しく読ませてもらいました! 特にアルカイダの米のニュースを見て生物兵器・爆弾製造に至った話…情報とは受け取る人間によって善悪どちらにも利用できるんだなと戦慄! / マスコミは虚構の情報に躍らされたり、真実だとしても事実を歪めて報道されることがあります。与えられた情報をすぐに鵜呑みにせず前後関係を確かめることも大切だと改めて感じました。2011/11/21
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