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文春新書
ハワイ王朝最後の女王

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  • サイズ 新書判/ページ数 258p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603008
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0222

内容説明

あの『アローハ・オエ』の作詞作曲者でもあるハワイの女王リリウオカラーニは、音楽を愛し、ハワイの民衆に愛された。だが、太平洋上に浮かぶこの楽園は西欧列国の標的となり、誇り高き彼女とその国も、およそ一世紀前、とうとうアメリカに強奪されることとなる。つねにアメリカのマイノリティーをテーマに追いつづけてきた著者が構想を温めること三十四年、「リリウオカラーニの涙」の秘密を解きあかすライフワーク。

目次

第1章 リディアの青春
第2章 リディアの身辺で
第3章 ホノルル変貌
第4章 王位継承者となる
第5章 銃剣で憲法を
第6章 悪魔は決して眠らない
第7章 不安な船出
第8章 王朝転覆
第9章 女王幽閉
第10章 さらばハワイ王朝

著者等紹介

猿谷要[サルヤカナメ]
1923年、東京に生まれる。東京大学文学部西洋史学科卒業、同大学院修了。日本大学、東京女子大学、駒沢女子大学の各教授を歴任。この間、ハワイ大学などで客員研究員。現在、東京女子大学名誉教授、海外日系人協会常務理事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

19
アメリカ史研究で知られる猿谷要のハワイ最後の女王リリウオカラーニ伝。というかハワイ王朝史にもなっている。なんともやりきれない感がして仕方ないのだけれど、帝国主義真っ盛りの弱肉強食の太平洋で結局独立を守れなかった経緯がなんとも痛い。というか、猿谷せんせ思いっきり入れ込んでる感が伝わって来るので、そういう意味ではとても面白く読めるのだけれど、熱くなり過ぎてヤバいかも。当時日本にはハワイ王室と縁組みして太平洋進出なんて余力は欠片も無く仕方ないとこではあるんだけど、歴史のIFが許されるならばなんて妄想も広がります2013/10/11

OjohmbonX

8
「本人が望んだわけではない立場にあって、しかしその責任を全力で全うしようとした人」は本当に立派だし尊敬する(人命救助とか会社経営とか政治家とか)。リリウオカラニ女王がハワイ王国の王位を継承した1891年時点では既に米国による国家簒奪は不可避な状況で、事実4年後には廃位させられる。逮捕・軟禁を経た後に、併合される直前まで米国本土へ渡り、計5千名もの人々に会って合併を思いとどまらせようと努力したという。彼女が作詞作曲したアロハ・オエも、彼女の人生を知るとより重みのある歌に感じる。2023/08/15

ジュンジュン

6
翻訳も含めて100冊以上の著作を遺した猿谷氏。その中でも珍しいスタイル(ファクト=事実とフィクション=虚構をミックスしたファクションと称していた)で書かれた本書は、小説みたいで読みやすい。歴史にifは禁句だが、いくつもの、あの時こうしていれば…を感じながらの滅亡はやはり切ない。ハワイの戦略上の重要性と帝国主義が跋扈する時代背景を考えれば、歴史の必然ともいえるのだろう。2018/03/26

富士さん

6
小難しい本を読むのに疲れて、適当に本棚から取って再読。猿谷先生の手厳しいアメリカ史観のファンなのですが、小説仕立てでちょっと読み易すぎ、内容的に薄いかなという印象です。最近でも某国が黒海あたりで使った「テキサス方式」に典型的に現れる、アメリカ史のホンネが貫く民主主義というものの運用の実際が、このハワイ王国併合にはよく表れているように思います。ですので、ここのところをもっと深く掘り下げて、社会や政治の部分にも触れられていれば、より魅力的な伝記になったように思います。魅力的な主題なだけにその点残念ですね。2015/03/12

ぼちぼちいこか

3
ハワイは米国の領土というのが当たり前だ。それが120年前には立派な王朝があったことを知っている観光客は何人いるのだろう。初代カメハメハ大王がハワイ諸島を統一してから歴史は浅いが立派な王国があったのだ。欧米の帝国主義領土争いに巻き込まれ、更に外国人が持ち込んだウイルスや病気が免疫のないハワイ人を次々死に追いやり、人口10万人が3万人にまで落ち込む。当然労働力と資本投資として白人が乗り込んでサトウキビ畑を作るが、労働力は移民の力を借りなければならない。最後のハワイ王朝女王はリリウオカラー二。米国の抑圧に屈した2014/08/16

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