内容説明
明治天皇が五人の側室を持ったのは好色のせいではない。次代の天皇たる皇子が皇后に生まれなかったからである。大正天皇と貞明皇后は四人の皇子に恵まれたが、天皇は病弱で国権の総攬者としての役割を果たせず、皇后の苦心はひと通りではなかった。昭和天皇は心身ともに健康だったが、皇子がなかなか誕生せず、側室を置こうとする動きさえ現れた。天皇は男系の男子皇族でなければならないという掟から生ずる数々の難問。そして、いま女帝論が…。
目次
1 明治の皇后と権典侍たち(五人の側室と十五人の皇子女;歴代天皇の配偶者と皇子女;昭憲皇太后;法律の中の皇子女たち;廃妾論)
2 病弱な天皇の時代(大正天皇像の再検討;大正天皇と貞明皇后)
3 激動する皇室と女帝論(裕仁皇太子の後宮改革;新皇室典範と后妃たち;女帝論の台頭)
著者等紹介
小田部雄次[オタベユウジ]
1952年、東京生まれ、水戸市で育つ。立教大学大学院博士課程満期退学。日本近現代史、皇室制度史専攻。現在、静岡精華短期大学教授
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