内容説明
ゲリラ戦とは、劣勢の非正規軍が優勢な軍事力に立ち向かう持久戦とされ、古代から取られた戦術だが、残された史料の入手が難しく、軍事史的研究も容易ではなかった。本書は、紀元前のユダヤ人ゲリラの闘争からアメリカ同時多発テロ事件に至るまで、過去の戦史から主に近代以降の具体的な戦例を拾い上げ、ゲリラ及び組織テロの軍事的な特色を分かりやすく描いて、二一世紀の戦争の姿を浮き彫りにする。ここで紹介されるゲリラ戦の極意は、弱者が強者と戦うためのすべを示し、企業経営の指南または人生訓としても意義深い。
目次
持久戦の戦略的背景
ゲリラ戦の原型
初期のアメリカ独立戦争
ナポレオンのスペイン戦役
軍靴の通り道=アフガニスタン
両大戦の谷間=スペイン内戦
中国の内戦
瀬戸際戦略と持久戦
冷戦時代の覇権地図
インドシナ三十年戦争
朝鮮半島のゲリラ戦
ソ連のアフガン戦争
アメリカ同時多発テロ事件
教訓と展望
著者等紹介
松村劭[マツムラツトム]
1934年大阪生まれ。防衛大学校卒。陸上幕僚監部情報幕僚、作戦幕僚、防衛研究所研究員、陸上自衛隊西部方面総監部防衛部長などを経て1985年退職。元陸将補。「デュピュイ戦略研究所」東アジア代表
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感想・レビュー
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里馬
4
メイナード・スミスの進化的安定戦略、ESS(Evolutionarily Stable Strategy)を想起させた。「北風と太陽」って寓話だと暖かく優しい太陽が旅人を脱がせるんだけど、現実では北風みたいな荒々しい男に力ずくで脱がされる事も少なくない。と思う。平和って難しいなあ。2009/04/15
肉欲棒太郎
3
ゲリラ戦に焦点を当てた戦争史概観。主観を極力排し史実を淡々と記述しているところが良い。歴史的にゲリラ戦の損害率は敵正規軍の5〜10倍という事実に重みを感じる。著者の提起した「ゲリラ」と「テロ」の違いということに関連して言えば、非正規軍による持久戦のあり方は、冷戦の終結を境に「ゲリラ」の時代から「テロ」の時代に転換したのだろう。2017/05/15
Humbaba
3
要約:ゲリラとテロは、やっている事自体はそれほど変わらない。無論その目的は大きく異なるのだが、どちらも司令官の言葉が名言として後世に残るようなことはない。これらの戦争方法は、貧者にとっては大国に影響を与える唯一の方法と言えるかもしれない。2010/02/22
アサニシマサ
0
一般的なことしか書かれてなくて微妙だった2022/05/20
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