内容説明
「面白きこともなき世に面白く」まさにこの和歌の通り、幕末の世を駈け抜けた高杉晋作。今もなお「維新の風雲児」としてその名が語られるが、胸のすくような英雄譚だけでなく、歴史のもやに覆い隠された部分にこそ、人間晋作の真実があるにちがいない。往復書簡、日記、詩歌、そして古老の話…。晋作(東行)の資料館学芸員である著者が豊富な史料を検証、激しい時代の流れの中で葛藤しつつ変革に向けて突き進んでいった青年晋作の内面に迫る。
目次
第1章 晋作の出自
第2章 松陰との出会い
第3章 マサとの結婚
第4章 晋作、海外へ
第5章 内憂外患
第6章 変革へのエネルギー
第7章 晋作、決起する
第8章 「面白きこともなき世に…」
著者等紹介
一坂太郎[イチサカタロウ]
昭和41年(1966)兵庫県生まれ。大正大学史学科卒。現在、東行記念館副館長・学芸員を務め、また春風文庫を主宰し維新史料の収集、研究にあたる。講演、テレビ出演も多い
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
7
"走りながら考える"行動の人・高杉晋作。とかく英雄視されるものの、本書で語られる姿は博打(下関挙兵)に勝った勝負師のよう。旧来の価値観(保守的)を色濃く残す等身大の晋作は維新前夜に退場したのは幸せだったのか、それとも明治の世でも走りながら考えて活路を見出したのか、興味が尽きない。2019/01/11
おらひらお
6
2002年初版。高杉晋作本をいくつか読みましたが、この本が一番等身大の高杉晋作を描き出しているような気がします。あと、長州藩が元禄年間に阿保親王墓の改修をやっているとは知りませんでした。2012/05/22
いちろ(1969aMAN改め)
5
新書で歴史上の人を読む、というのは初めてかもしれない。小説しか読まずに来たもので。その人を知るという上ではこの上なくよくできていますよね、当たり前だけれども。他にも読めば完璧でしょうか。物語ではありませんので良し悪しをいうものではないかな。読みやすく良書であると思います。2012/11/03
fseigojp
2
奇兵隊との関係が、現代性があり興味深かった2015/03/29
おい
1
維新の天才児とも一部ではもてはやされている高杉晋作だが、決して何もかも読みきって行動をしていた様でなく、彼も言っていた熱しやすく冷めやすい長州人の典型であったのかもしれない。 ★★★2021/10/09
-
- 和書
- 経済主体の日本金融論