• ポイントキャンペーン

文春新書
宮廷文学のひそかな楽しみ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602025
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C0295

内容説明

清少納言がシナリオ作家なら、紫式部はミステリー作家。「弁内侍日記」に登場する、貴公子と女房の打々発止のいたずらごっこ。南北朝の政争に翻弄された光厳院の、深く哲学的な歌。宮廷の人びとの生活と心情を味わい深い文章で描きだし、これまでの研究で見落とされてきた諸問題を解きあかしつつ、古典を敬遠しがちな現代の読者に、王朝文学の面白さを堪能させる一冊。

目次

「枕」と「源氏」の新発見(「はいぶし」物語;シナリオ作家清少納言;ミステリー作家紫式部;サクラ読本の「源氏物語」;みそっかつの花散里)
宮中の人びと(男をさへぞ打つめる;「萩の戸」のふしぎ;四つの緒の調べ;はだかぎぬ)
日記の真髄(ほ文字のり文字;みめほしきつとめて;霜・雪・霰;つれづれなるままに)
和歌の変遷(歌合三種、生中継;花は盛りに;月はくまなき;ともしびの連作)

著者等紹介

岩佐美代子[イワサミヨコ]
1926年東京生れ。45年女子学習院高等科卒業。昭和天皇第一皇女照宮様の御学友として幼少時より十三年間にわたり奉仕。鶴見大学名誉教授。文学博士。専門は中古・中世の和歌、女流日記の研究。『光厳院御集全釈』(風間書房)で第五二回読売文学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Waka

4
男性を中心とした研究者が疑問にも思わなかったり、疑問に思いながらもなあなあにしてきた通説を、女性の視点や生活者の視点、いち読者としての謙虚な視点から覆してゆくいくつかの章が痛快。もともと氏の岩佐氏のお名前は『玉葉集』『風雅集』また永福門院関連の図書でしばしばお世話になって存じていたが、専門外の時代の文学作品に対しても広く知識や考えを持っていらっしゃることに、改めて感動した。2019/01/29

Koro

4
筆者のように身近に生き生きと古典文学を読めたら…とその知識、体験、見識がうらやましくなった。特に興味深かった箇所は「讃岐典侍日記」についての一章で、堀河天皇の人柄、あの鳥羽天皇御歳五歳の頃の可愛らしさが感慨深かった。「讃岐典侍日記」は必ず読もうと思う。2009/10/12

もちもち

3
あたりまえのことなのだけど、国文学者という職業の方々は、よく本を読んでいらっしゃるのだなあ…と、そんなところに感動したり。わたしなんて、古文を出されたらひとまず「うええ、古文だ」なーんてリアクションをとらないと気が済まないのに笑!投扇興なんて聞いたことないけど、この採点図には見覚えがあったわ。源氏物語も、読んだことないけど、なんか面白そうだな、って思った。知識が少ないわたしにも、読みやすい本でした。2012/07/29

内藤銀ねず

2
著者は、玉葉集や風雅集、いわゆる京極派和歌研究の大家で、関連図書に名前があるのを見掛けては、ひそかに「岩佐ブランド」として私淑しております。 それもこれも、この新書を読んだからでして、仕事として古典研究をしながらもご自身が古典大好きなのが伝わってきます。本の中では少しだけ触れられていますが本来の研究分野である和歌の、しかも「歌合」の歴史について書かれた章には苦心の跡が見られます。 肩の力を抜いて読めるのがステキ。

ムージョ

2
突っ込んだ新解釈など新書ながら読み応えあり。著者自身が名家の出身で、皇族のご学友という特殊な立場と言うこともあり、一般の研究者とは一味違う視点という印象。昔の偉い学者が唱えた説が何の吟味もされないまま事実のように思われている現状に異を唱えている。なるほどそうだったのかといろいろ勉強になった。紹介されていた讃岐典侍日記が読みたくなる。2016/12/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/91965
  • ご注意事項