内容説明
スカルノによる革命と独立、スハルトによる開発独裁のあと、なぜスハルトは倒れ、なぜ「スカルノの娘」は大統領の座を逃したのか。外島の反乱、汚職と腐敗、通貨危機、ジャカルタ暴動、「民衆の祭典」としての総選挙…。イスラムと民族主義の二大潮流が渦巻くなかで、国家新生に向けて模索するグス・ドゥル政権は、何をなそうとしているのか?インドネシア研究の第一人者が間近で見た民衆のうねりに、それらの疑問を解くヒントが隠されていた。
目次
第1章 間近で見た経済・政治危機
第2章 スハルト退陣後のインドネシア
第3章 出直し総選挙
第4章 インドネシアの過去と現在
第5章 メガワティ、束の間の勝利
第6章 ハビビからグス・ドゥルへ
終章 「七色の虹」の行方
著者等紹介
加納啓良[カノウヒロヨシ]
1948年東京都生まれ。70年東京大学経済学部卒。アジア経済研究所勤務ののち、80年より東京大学東洋文化研究所に転じ、現在同教授。経済学博士。インドネシアを中心に東南アジアの経済・社会・政治の歴史と現状を研究。著書に『インドネシア農村経済論』(勁草書房)『中部ジャワ農村の経済変容―チョマル郡の85年』(編著、東京大学出版会)など
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